4月6日(土)「やまねひとり」@下北沢lown
以下「やまねひとり」に関するネタばれがあります。
それでも構わないという方のみお読みください。




店内はイスが並べられること30ぐらい。 満席だった。30人が座ると身動きできないくらいの広さである。 客席側にはかわいらしい絵が、ステージには 人間が大の字になっている絵(レオナルドダビンチを思い出す) が飾られていた。 ステージの天井にはお姫様のベッドのような白いカーテンが波を作っていた。 そこに姫は登場した。

こんばんはの挨拶のあと、このライブのコンセプトについて語りだす。 一言で言い表すなら「生ニコ生」である。 お客さんとより近く、あんまり緊張せずにやりたいようにやってみたい。 各々の飲み物で乾杯をした。

まーさんの一曲目は
「あなたに」
やはりこれである。 手拍子で会場が一体となる。 まーさんはいろんなところに視線を配り、 ライブに参加してくれていることに感謝の気持ちを 伝えているようだった。

二曲目は、本人曰く春のゆるい曲。新曲である。
「花盛り」(ひらがな表記か漢字表記かはわかりません)
らんらんらんらららんらんらん
こんな感じのフレーズを一緒に歌う。 そして空想すいっちオンである。 春だぞ~生命の息吹が聞こえてくるよ とでも言わんばかりに明るい声が響く。 小学生のまーさんがランドセルをしょって駆け出す。 通学路をスキップして行く。当然まっすぐ学校にいくわけがない。 あちらこちらに目を奪われながら、花の香りに誘われながら走りゆく。 ときに立ち止まりかわいい花にうっとりする。

「やまねひとり」ではカバーもするよと前々からリクエストを募集していた。 というわけでカバー一曲目である。YUIさんの
「Never say die」
演奏を始める前には、少し不安だとおっしゃっていたが、 ノッてくるともうそんな言葉は忘れさせてくれた。 YUIファンでもある方にはとても幸せなひと時だったと思う。 (申し訳ないことに僕自身はYUIさんについては詳しくない) 僕の中では、ドラゴンボールのエンディングテーマではないけど、 誰か主人公が走っているところがイメージされ、わけもなく元気が出てきた。 他の人はどんなイメージを描いているんだろう。

そしてさらに新曲である。 今回のライブはまーさんの攻めである。
「雨のゆくえ」
これも空想スイッチがすぐに入る。 六畳一間に一人暮らしをする「ぼく」。 雨がしとしと降る中ベッドにうずくまっている。 そんな中ふと「きみ」のにおいがしたような気がする。 雨が運んできたのだろうか。 そうすると、もう頭から離れない。浮かぶのは「きみ」のことばかり。 雨は変わらず降り続いている。 「ぼく」のにおいもこの雨は「きみ」に届けてくれるのだろうか。 ドアをあけ「ぼく」は空を見上げた。

「おやすみnight」
MCを入れずそのまま曲に入る。 ”眠りにつくほんの手前で君のこと想ってはっとする” おやすみnightはこのフレーズに命が宿っていると思う。 はっとした時に、想う人のあらゆる情報が ばっと頭に展開する。 この一瞬のことを大事にしたい、そう思った。

増田さんの深夜3時の冠番組を 見・・・・・なかったというお話。 話を始めたということは見たのかなと 想像したがそうではなく、笑いがもれる。 でも冷静に考えると深夜三時は眠いし、 次の日ライブならそりゃそうだと皆納得した御様子。 努力の歌は永久に不滅だということで、
「努力の歌プランB」
とてもよい表情で歌う。この笑顔に何度も助けられる。 歌詞をかみしめて、これは不滅だわと改めて納得する。

休憩タイム
(誰かが食べ物を注文したらしく、おいしそうなにおいが立ち込めてきたお。 そういえば、メニューにピスタチオもあったよ)

前のほうの方と記者会見ごっこをしていたとのこと。
「5月29日にはアルバムをリリースされるとのことですが。」カシャカシャ(カメラの音)
「そうなんです、今回はオリジナル曲を詰め込んだアルバムになってまして…」
こんな感じだろうか。

後半戦はカバーで始まる。
ニコ生ではYUIさんのクロスロードを演奏したが、 クロスロードつながりということで。 (別につながっている必要はないけれどと自分で突っ込みをいれていた)
「CROSS ROAD(Mr.children)」
カバー初披露の曲。 まーさんのミスチルってしっくりくる。なんでだろう。 言葉を大事にして情感たっぷりに歌い上げるという点が 共通しているからだろうか。

一応カバーとして歌うとおっしゃった。
「合鍵の有効期限」(作詞:ふじけんさん 作曲:まーさん)
高校でデュオとして活動しているとき、 (ネットの)掲示板で歌詞を募集していたことがあったらしい。 その時に、応募してくださったのが、「ふじけん」さんだった。 だけど、ふじけんさんと連絡はとれず、いまだにどんな方なのかは知らない。 もし御存知ならば一報くださいとのこと。 ふじけんさんに聴いてもらえるといいなあ。
YouTubeでは聴いたことがあっても ライブで聴くのは初めて。 やっぱり生歌はいいと改めて実感する。 身体に響くギターの音にまーさんの表情、すぐそこから発せられる声。 情報量が違うのはもちろん、その時空間だけの雰囲気というのがある。 二度と同じ演奏はないのだ。その一回性こそが音楽の本質でもあると思う。 だから、ライブという営みはなくならない(でほしいな)。

続いてカバー曲
「糸(中島みゆき)」
名曲である。YouTubeにアップされている中でも僕はトップクラスに好きだ。 過去にもライブで聴いたこともあると思うが、何回聴いても良い。良いものは良い。 今までお世話になった方々の顔が次々に浮かぶ。 そしてこれからの出会いを大事にしていこうと思う。


「PS」
追伸の意味である。プレイステーションではない。 これも新曲である。 キーは高めで大きな声で気持ちよく出せるぐらいの高さが多かったように思う。 これは聴いている方も気持ちがよい。まーさんの透き通った声の魅力が存分に味わえるからだ。 内容は思いの丈を伝えきれなかったときのお話ということ。 本音で話すって難しいかもしれないけど、 それができたときに嘘じゃない関係ができる。 この曲はこのライブの中でもとても印象的だった。


空な色からの大事な曲。
「STAR」
しっとりバージョン。 この曲の歌詞は五感を使って「きみ」への想いを綴っている。 具体的に何々が見えるとか言っているわけでもないのに 勝手に何か情景を想像させる力があると僕は思っている。 それがまーさんの歌唱によって物語になる。 皆主人公になればいいのである。

「スタートライン」
これも比較的しっとり。 人間はスタートラインを自分でいつでもひける。 前から続けていることに対してもまたスタートラインをひけるのだ。 そんな人間の姿をとても尊いと感じた。

「へなへなん」
まーさんファンの間ではおなじみ。掛け合いを楽しめる曲。 しもきた、らうん、みんな、じぶん、うたってはっぴー などを皆で歌った。 こうやって元気に声を出せることにも感謝である。

「きみを好きになったんだろう」
照明のライトを落としてほとんど真っ暗な状態での演奏。 リハのときに思いついたらしい。 まーさんの表情は暗くて見えないが、 その分、音に集中する。 これはまーさんが歌っている。 この本気の歌を歌うのは、だれが何と言おうとまーさんである。 見えないことがかえって、まーさんの存在を強く意識させた。

アンコール
私の曲、暗い曲ばっかりだもんね~と笑いを取る。 どうしようかと悩んで選んだのは
「ジャンヌダルク」。
会場の皆がリズム隊ということで手足拍子をつける。 これからもまーさんの活躍を楽しみにしよう。 応援していこう、そういうあたたかい空気に包まれていた。

その後、まーさんはトイレに直行した。 さすがは、まーさんである。
完!