この座談会は「愛と妄想、25歳。」発売日、2015年6月24日(水)にスペースシャワーネットワークさんの一会議室で行われた。

座談会参加者
は:畑さん(まーさんのマネージャー兼バーガーインレコード社長)
ま:まーさん
お:onigiri(まーさんファンサイトうたはぴ♪管理人)

目次

  1. はじめに
  2. 終わりに
  3. タイトルについて
  4. ミュージックビデオ制作
  5. ブックレットと譜面集
  6. まーさんの曲の作り方
  7. 一発録りについて
  8. 楽器トーク
  9. 今回のチーム
  10. 山根万理奈サウンドの柱
  11. アルバム収録曲
    1. 砂漠のマーメイド
    2. X-day
    3. 時のまにまに
    4. ふたりのとき
    5. ワイキキ・チェキラ・シェキラ・ビーチ
    6. てつやの恋人
    7. 誰よりも
    8. たぶんね
    9. オトメコーヒー
    10. 街角
    11. あなたとわたしのうた
  12. バンドでツアーをまわりたい
  13. 夢だけで生きてるようなもの
  14. 再生環境について
  15. ラジオ番組を持ちたい
  16. ツアーへの抱負
  17. 不思議なコミュニティ

はじめに

は:今日の趣旨としては、通常のインタビューは何個かやっているんですけど、 そこだと、プロモーションという意味で相手の人も話をきいてくるので、 これだけみんな家族っぽくやってるところではそうじゃなく、もっとききたいこと深いところ、いろんなことあるでしょうってことで、 こちらとしてはファンサイトをやってもらっているonigiriさんに 逆に話をきいてもらいたいなということでお願いしましたということです。

お:こんな機会をもらってほんとに嬉しいです。

終わりに

(本編が長いので先に、座談会の最後にいただいた、まーさんから皆さんへのメッセージをお届けします。)

お:そろそろ時間がなくなってきたので、 最後はまーさんからファンの皆さんに メッセージをもらって終わろうかなと思います。

ま: いやほんとにこのたび無事に本日ですね、 「愛と妄想、25歳。」リリースしました。 クラウドファンディングでご支援していただいたみなさんどうもありがとうございます。 無事に完成しましたよ。 こっからは出来たものを沢山の人にきいてもらうことが一番の道ですので、 たくさん拡散してください。 今日の座談会、話が行ったり来たりしたけど まとめてくださると思います。 これまでやったことのない機会で 面白い話が出ている思うので これも是非いろんな方に目を通していただきたいと思います。 onigiriさんどうもありがとうございます。

お:こちらこそありがとうございます。

は:ありがとうございました。

お:ありがとうございました。

ま:畑さんからも何かありますか?

は:うーん。

ま:結構話しましたかね。

は:みんな大好きだよ~。

ま:私も大好きです! だからまたライブで会いましょう~!

(以下本編です。)

タイトルについて

インパクトのあるタイトル

お:それじゃさっそく内容に入りますね。何かを表題曲としてタイトルにするんじゃなくて 「愛と妄想、25歳。」としたのは何か理由があるのですか?

ま:うーん、前回のアルバムが「歌ってhappy!」で 自分のモットーで表題曲でもあるし、ほんわかした感じだったけど、 今回なんかエッジのきいたもの、タイトル見てなんだろうと思ってもらえるようなものにしたかった。

は:最初はねぇ、「あなたとわたしのうた」はどうだみたいな話はしてた。

ま:アルバムにも合うし、いいなと思ったんだけど なんかその普通じゃない?っていう話になり。

は:一番の理由は「あなたとわたしのうた」っていうコミュニケーションな感じというよりは、わたしのうただろって(笑)

ま、お:(笑)

は:何曲か聴いても全部わたしの歌じゃんっていう。 だったらそこをちゃんとはっきり自分の等身大を伝えた方がいいな っていう話をして、そっからその年齢も出てきたし。

お:インパクトあるタイトルですよね。 店員さんに注文するときに恥ずかしいとか 店員さんに笑われたというエピソードもツイッターなどであがってますね。

は:いいことですね。

ま:そうそうそう、店員さんに笑われたって、いいことだなと(笑)。

タイトル発表までの裏話

お:アルバムのタイトルを発表するまで結構時間ありましたよね。 ギリギリまで考えてた感じなんですか?

ま:それもあるし、アルバム作りますってこと自体は クラウドファンディングのこともあって早くから言ってたし、 ちょっともったいぶってみたっていうのはある(笑) 曲順とかも決まってから結構時間経ってから言ったりしたし。

は:単純に今回のは特にその辺の発表タイミングみたいなのが俺の気分なんですよ。

お:そうなんですか(笑)

は:前は作戦たてて話し合ってやってたんだけど 今回はあまり時間なかったし、 クラウドファンディングやってから発売までも短いじゃないですか。 どたばたになるなと思ってて。 周りの様子や空気を感じながら ギリギリでタンタンタンといく感じが今回のリズムだなと思って 俺はなんとなくそうしてた。 ここの間(畑さんとまーさんの間)の話はあんまりなくやってるんですよ今回。 だから本人痺れを切らして、どこどこに情報出たんだったらもう言っていいんだなって(笑)

ま:(解禁された情報を)お客さんに言われて知るっていう(笑)

は:昨日アップロードしたビデオも見せてないから。
(注:前日の夜に「砂漠のマーメイド」と「ふたりのとき」のミュージックビデオが公開された。)

ま:あっ出来たんだなと思って(笑)

ミュージックビデオ制作

それぞれの監督から見た山根万理奈

(ミュージックビデオについては、「砂漠のマーメイド」と「オトメコーヒー」は松江のカフェ Tete De Bavardのマスターが、「ふたりのとき」は地元のテレビ局のスタッフが監督を務めている。)

は:「砂漠のマーメイド」のほうは事前に見せて、 どうだねって話はしたんだけど。 「ふたりのとき」は地元のテレビ局のいつもやってもらってるスタッフに任せた。 前はよく直してたりもしてたんだけど、今回は音に自信があったから。 作ってくれた人がいるんだったら、その人の感じでそのまま出してみよう、 僕たちのセンスっていうか意見は入れない山根万理奈を1回ボンと出してみようと。 両方とも監督が違うんですけど、彼らが思った山根万理奈がこれなんだなって。

お:まーさん、ミュージックビデオを見てどう思いましたか?

ま:いやそれこそ、撮影の時点で撮った素材も見てないんですよ。 だから…(笑)

お:こんな風に撮れたんだって初めて知るわけですね。

ま:いや~なんか、ああ撮ったなここでみたいな(笑) その監督目線でここがいいって思ったんだな、みたいなふうに見ました。

は:僕もそうですよ、みんな見方違うなと思って。 俺が思う山根万理奈の可愛い顔とかと違うんですよね。 ファンの人とかも10人いたら10人違うと思うし。 だって「砂漠のマーメイド」を最初に見たときのまりちゃんの感想は「いかついですね」。

ま、お:(笑)

お:確かにまーさん化粧濃いな、いつものナチュラルメイクとは違うなと思いました。

ま:メイクも「砂漠のマーメイド」の方は、ヘアメイクさんにやってもらってて、 それも任せたいなと思って、思うにようにしてもらって。

お:任せたいなって思ってそれで巻髪になったんですね、巻かせたんですね。

ま、は:(笑)

ま:巻かせたんですよ(笑)

お:(笑)

ま:前髪とかあげたことないから新鮮でしたね。 そういうのも含め、いろんな山根っていう(笑)

めがね女子現る!?

お:ミュージックビデオは他にもありますか?

は:「オトメコーヒー」が後であがってきます。

ま:松江の「Tete De Bavard」で撮影しました。ちょうどカフェで(笑) 監督はそのTeteのマスターが。ヘアメイクさんも「砂漠のマーメイド」のときと一緒です。 「オトメコーヒー」はすごい衣装チェンジしてます。

お:内容はどんな感じなんですか?

ま:テーマはそのカフェの店員さんに恋する 女の子がカフェに通うという…(笑)

は、ま、お:(笑)

お:それ楽しみですね。 それはもう見たんですか?

ま:え!撮ってる映像は見てないです。 ただ自分がいっぱい変身してるのは自覚あるから 楽しみだなと思います。

お:やっぱり(砂漠のマーメイドと同じで)メイクは濃いんですかね?

ま:どんどん濃くなっていく。最初はこうめがね女子現るです。 それで、恋をして綺麗になっていくみたいな感じ。

ちなみに…

お:「ふたりのとき」のミュージックビデオの撮影場所は弓ヶ浜じゃないかってツイッターで早くもつぶやかれていましたね。

は:海辺は弓ヶ浜なんだけど、森のシーンは弓ヶ浜じゃないですよ。はずれですと書いといてください(笑)

お:森のシーンはどこで撮ったんですか?

は:あれはね、USAのオレゴン。

お:(笑)…

は:カナダロケだった。ロッキーでね。

お:そうですか…

は:嘘…

お:えっ!嘘は書けないですよ(笑)

は、ま:(笑)

お:でも、撮影場所探すのは楽しいですよね。

ブックレットと譜面集

(今回「愛と妄想、25歳。」の発売に合わせて、その譜面集も制作された。ライブ会場限定絶賛販売中。)

字が見えない…

お:クラウドファンディングで特典と一緒に入っていた畑さんのコメントにブックレットの字が見にくいっていう話がありましたね。

は:デザイナーに打ち合わせの一番最初にね 前作(歌ってhappy!)は、みんなから読めないってクレームがあったんで、 字をでかくするか目立つ色にしてくれって念を押したところですね。 今回は大丈夫だと思いますって言われてたのに、 俺が見えないっていう(笑)

お:どうしてそうなったんですか?

は:今画面上で校正しちゃってて、 色校を出さなきゃだめなんだってことですね。

お:つまりパソコン上ではちゃんと見えるようになってたんですか。

は:そう。1回刷ってみないとだめだなって。

お:そういうことだったんですね、 そこは歌詞が読みたい人は譜面集を買ってもらうということに。

ま:おっ!(笑)

は:そこまで頭回んない(笑)

お:こっちは見やすいですからね。

ま:そっちはWordでひたすら私がカチャカチャやって(笑)

は:これはよくできてる。

ま:自分なりに字のバランスとか研究しました。

は:コードの入れる位置とかよくできてるなと。

まーさんの曲の作り方

お:普段曲つくるとき譜面集を作る要領で作ってるんですか

ま:曲作るときは、時間かかるときは忘れないように書くこともあるけど、 大体レコーダーに入れて後でおこすかな。 作ってるときに書くときもあるしどっちかですね。

お:その違いはメロディー湧き出てくるから書いてる場合じゃないっていうか。

ま:そうですそうです、入れればわかるので。 でも昔消えたことがある。

お:(笑)

ま:レコーダーばかりにに頼ったらやばいなっていうのはあります。

は:ミュージシャンのあるあるじゃないですか。 デモテープ集がデータ飛んでったり。

ま:焦りますよね(笑)

お:メロディーが降ってきた!と思ったときでも忘れちゃうんですかね?

ま:できあがってたら忘れないんですけど、 途中悩んでたら忘れちゃうかな。

お:まーさんファンの中には ギターやってる人とか 曲作ってる人とかいると思うんですけど、 そういう人はまーさんがどういうふうに曲作ってるか気になると思うんですよね。

は:それききたいよね。 前はよく詞先だっていってたよね。

お:詞先?

ま:詞が先に出来る。 詞もiphoneに打っていれちゃうことが多い。

は:詞から先に作る人、実はすごく少ないんだよね。 大体コードとメロディーが先でそれに詞をはめる人のほうが多い。

お:それは他のミュージシャンの方に聞いたんですか?

は:大体最初に知り合うとそういう話になる。 どうやって曲作ってんのって。 詞先の人はほとんどいないと思いますよ。

お:まーさんは対バンライブとかでそういう話しないんですか他のミュージシャンの人と。

ま:対バンの人とはあんまりしないかな。 ガッキーと一緒にライブツアー回ってたときに見たんですけど、 ガッキーは待ち時間とかにもさくさく曲作ろうとするんですよ。 すごいいいなと思うんですけど。

お:うんうん。

ま:ギター弾いていい曲できたよって言っていたから ああガッキーも曲からなんだなみたいな感じですね。 私は詞からしかできなかったから どんどんギター弾きながら出来る感じ見てて ほおすごいなあと思っていました。

お:これから曲からも作れるようになりたいという 願望はあったりするんですか?

ま:まあいろんなパターンがあったらいいなとは思うんで。 今回のアルバムは曲からのやつもある、同時っちゃ同時だけど。

お:「誰よりも」は詞から作ったんじゃないかなと思うんですよね。

ま:そうですね。 多分分かるだろうなななんとなく。

お:…「たぶんね」はどっちからなんですか?

ま:「たぶんね」は詞からですね。 意外に…意外にかわからないですけど、「てつやの恋人」は曲からです。

一発録りについて

普通のレコーディングについて

お:ほとんど一発録りってどこかに書いてありましたけど。

は:そこね、多分説明があんまり足りないというか うまく説明できてないというか。 今のレコーディングだとバンドでスタジオで録る場合、 クリックというかメトロノームというか リズムを正確に出しておいて、それに合わせて演奏するんですよ。 で、まず何を録りたいかって言ったらドラムとベースなんですよ。

お:はい。

は:で4,5人でせーので録っても大体ギターとかキーボードとかは 100パーに近くもう一回弾きなおす。 ベースを弾き直したりもするし、ドラムもここだけ直したいとか、 ほとんどそうやってせーのって1回OK出たテイクが そのままCDになってることは今の時代100パーないですよ。

お:うんうん。

は:微妙な音程調整をしてないCDはないし、機械で相当直せるんで、かなり初音ミクに近いんですよ。

ま、お:(笑)

お:一発録りじゃないときは初音ミクに近いという意味ですね。

は:売ってるCDでまったく直してないCDはこの世の中に今ないんです。

今回の録音方法

は:今回は、ベースもギターもある意味音がかぶってる状態で録った。そうすると、ギターのチャンネル上げてもドラムのシャーンって音が聞こえちゃう。 だから、後で音あまりいじれないよっていうのをミュージシャンに最初に言ってたんで、みんなものすごい真剣になって。

お:うんうん。

は:まりちゃんもアコギ弾きながら歌ってるのがOKテイクになってる。 そうするとアコギとボーカルは同じマイクに入っているから、ギターだけも直せないし、歌だけも直せないし、 っていうのが何曲もある。

お:まーさんのボーカルを直そうしたら、ギターの音程も変わって 変になっちゃうわけですね。 音量バランスとかも変えられないんですか?

は:いや変えられるけど、 ギターのチャンネルに入ってるシンバルの音は ギターのチェンネルあげるとと大きくなってしまう。 エンジニアはそういうのすごく嫌がる。

お:エンジニアとしては音が分離してあったほうが調整しやすいわけですね。

は:自分で作業できるところが減るっていうか、 もうそのままの音でやるしかなくなるから。

一発録りのメリット

は:いいライブって別に全員がうまく弾けたのがいいライブじゃないじゃないですか。

お:そうですね。

は:なんとなく遅れたり、音程悪かったりするけど、 なんか全員の音がうわっと来たときにおお!と思ったりするじゃないですか。 それと一緒で、ギターのチャンネルにドラムの音が入ってて不都合ではあるんだけど、 ギターのチャンネルあげていくとドラムが盛り上がってきたときにその音もでかくなるわけですよ。

お:うんうん。

は:要するに自然な盛り上がりっていうかノリになるからそうしたんだけど。 まあ、やるほうは大変ですよ。

ま、お:(笑)

誤解しないでほしい点

は:それで録ったのをバランスとって キーボード系は全部後から入れた。 (キーボード担当の)斉藤さんがベース弾いちゃってるんで。 ここでいう一発録りっていうのを 全部一発録りだっていう解釈をする方もいますが、 そんなジャズバンドの時代じゃない。 メンバーの数みれば斉藤さん手二本しかないからね。

お:(笑)

は:キーボードは後からダビングしてるし ギターも何本か後からダビングしてるし 当然コーラスは一発で録れるわけない。

お:1回というよりかはなんて言うんですかね、なんかいい言葉ないですかね。

は:スタジオ用語でいうと リズムを一発録りしたということ。

お:はあはあ。

は:要するに基本となるこうドラム、ベース、ギターみたいな、 4リズムとか5リズムという基本の演奏をドンって録っちゃったっていう感じですけど。

そりゃもう覚悟が

お:まーさんとしては初めての一発録りなんですか?

ま:うんまあ。 歌だけに関して言ったら似たようなことはある。 前作だって何回も歌うけど今のテイクがよかったからじゃあこれまるっと使いたいみたいなのとかはあった。

は:最近やるのは大体そうですよ。 好きで悩んでるわけじゃないの頃から バンドでせーので歌ってその歌がOKテイクになってるやつもあるし。 だから初めてってわけじゃないけど。 だけど、今回みたいにそうやって全部録っちゃおうよ という覚悟で臨んだは初めて。

ま:結果としてじゃなくてってことですよね。 最初からそうするよっていって作ってる。

お:そこはまーさんは気持ちとしては違いましたか、いつもと。

ま:うーん違う。 結果的にそのテイクが使われるってことはあったけど 歌は後から録りなおせるからって言われててってことはあったんですけど、 今回はあたしも含めて録るからって言われてやったんで、 そりゃもう覚悟がははっははっは(笑) あたしがもたったらいくら皆さんうまいとはいえ ちょっと気になっちゃうじゃないですか。

お:うんうん。

ま:だからすごい集中したし。

お:周りの音もいつもよりきこえるとか。

ま:てか聴かなきゃなって、クリック、メトロノームがないんで。 普段ライブでは自分のグルーブでやってるじゃないですか、 自分のギターだけでやってるから。 ドラムの音を聴くのって正直そんなに得意じゃないですよ慣れてなくて。 だから周りの音一生懸命聴きました(笑)すーごい聴きました。

お:クラウドファンディングのアップデートでもありましたけど、 周りの音を聴くことで歌に対する自分の役割が分かっていい流れが作れるというようなことを坂田さんが言ってましたね。 それは合唱やっててもそう思うところがありますよね。

ま:そう、ここは出番!みたいなところありますよね(笑)

楽器トーク

畑さんの坂田さん愛

(一発録りの話の続きで)
は:結構スケジュールがタイトだったので 坂田さんの都合がつかなかったら(皆の都合をあわせる必要のある)一発録りにはしなかったですよ。

お:坂田さんだって普段から一発録りをしているわけではないですよね?

は:こんなのほとんどないんじゃないかな?

ま:って言ってました。

お:そうなんですね。

は:俺が坂田さんのドラムがすっごい好きで、 ラジオで聴いててこのドラムは坂田さんじゃないかって当てたことがあるんだよ。

お:そんな分かるもんなんですか!?

は:ドラムとかで分かるのすごくないですか?

お:すごいと思います(笑)

は:このハットの感じ絶対そうだろうって、 まりちゃんに調べてよってググってもらったら大当たり(笑) 坂田さん本人にその話をしたら,キョトンとしてました。

ま、は、お:(笑)

お:ドラムで癖とか分かるんですかね。

は:いや、癖ありますよ。ロックバンド系だったら聴けば分かるけど、 ポップスとか歌ものでそういう聴き方する人はいないかもしれないけど。

ウクレレ

お:lownでも披露されてましたが、まーさんウクレレ始めましたよね。

ま:始めました(笑)

お:これからどうなっていくのか楽しみです。

ま:せっかくやりだしたから、 今回のツアーだけで終わらずに続けていきたいし、レパートリーも増やしたいしな~って思いますね。

お:表現の幅も広がりますよね。

ま:ウクレレで作曲とかもするかもしれない。

お:それは楽しみですね。 このツアーでどれだけ成長するのか、下北沢に帰ってきてまた聴けるのが楽しみです。

アルバムをより深く楽しむためには?

は:このアルバム実はドラムの音をでかくしてあるから目立つけど、 それはドラムと歌という必要最小限のもので成り立つような音にしたくてそうしたんですよ。 だけど、マニアックに聴くとしたら 入ってる全部の曲のベースを注目して聴くと 相当深く楽しめます。 それはなぜかって言うと ベースの斉藤さんが、全部の曲じゃないんですけど、ほとんどの曲を フレットレスで弾いてるから。

お:フレットレスというのは?

は:要するにフレットがないということ。

お:そうすると何が良いんですか?

は:音程がすごい曖昧なんですよ。 そこはギリギリプロだからうまく弾いてんだけど よく聴くと音程が不安定なんですよ。 それがその最少人数でやってるバンドのグルーブになってんですよ。

お:フレットがないと音程を連続的に変えられるんですね。

は:だからウィーン↓って止まった音がちゃんとドになってないとか ほんのちょっと低いとか高いとかそれがかっこよかったりするんだよ。 それも歌と一緒にやってるからマッチングが良いときは どんなにうまい人でもこの味出せないわっていうのが ところどころある。

お:うんうん。

は:斉藤さんはベーシストじゃないけど、ベーシストじゃないからこそできてるんだと思う。 もしベーシストだったら、ベース仲間からお前もうちょっとちゃんと弾けよ って嫌味言われながら、でもあんなレコーディングできていいなあみたいな感じのやり方だから。 ベーシストだったら多分あれはOKしない、もう一回弾かせてって直したくなる。 そうやって聴くとね、すっごいベース良いですよ。

は、ま、お:(笑)

お:それは良いことききましたね。 これ皆さんに伝えたいと思います。

は:フレットレスのベースはやばいですよ。 うまくいくとほんとかっこいい。 ドラムと歌で成り立つようになってるんだけど ベースと歌で聴き始めるともう色っぽいですよ。

お:「歌ってhappy!」のときは 弦楽器があったじゃないですか。 歌と弦楽器ですごく色っぽいなと思ったんですけど、 今回はベースに注目すればいいわけですね。

は:で、弦楽器もフレットがないじゃないですか。

お:そうですね。

は:だけどチェロは音程が甘いと音が強すぎて目立つんですよ。 だからフレットない良さはあんまりでないというか。 逆に音程悪いと歌よりも抜けてくる音だから。

お:音が浮いちゃうんですね。

は:そう、チェロはそこを気にしてプロだからちゃんと弾く。 音程のゆれで楽しむ楽器じゃないんですよ。 もっとこう音の振幅で感じる楽器っていうか。 ウィーンっていうクレッシェンドの感じがかっこいい。 でも、エレキ系のフレットレスはう~んう~んってこう 探って弾いてる感じとかがかっこいいんですよ。

お:いいですね、こういう話できるの楽しいじゃないですか!

ま:おおっ、よかった!パチパチ

お:まーさんも畑さんと普段こういう話してるんだったら楽しいんじゃないですか?

ま:うん、だから、わかんないことをミュージシャンじゃなくて 畑さんにいろいろきいてると思います。 まあ一緒にいる時間が長いのもありますけど。 それはあくまで、畑さんのこだわりかもしれないけど、 あっそういう聴き方があるんだって勉強になるというか、 へ~と思うことばっかりですね。 ドラムのこととかも誰が叩いてるかとか私わかんないです。 でもここがこうだからこうじゃんと言われたら確かにそうかもと。

お:これからまーさん自身でこだわりをつくっていくところですよね。 いろいろな音楽を聴いて。

ま:そうですね。うん、そう思う。

今回のチーム

お:ドラムは毎回アルバム作る毎に叩く方が変わってますけど それは畑さんの好みの問題なんですか?

は:う~んその都度いろんな理由があって。

お:ここは大人の事情で僕が踏み込んじゃいけないところですかね(笑)

は:いや、なんかこのバンドでやろうとか 誰々のプロデュースでやろうとかすると、その人の人脈になってくるし。 それをドラムだけじゃなくて変えたいときもあるけど、 でもこの人に頼んだんだったらこの人の周りでやった方が うまくいくだろうなと思って任せるから。

お:それは斉藤さんっていうことですか?

は:それは斉藤さんもそうだし、ガッキーだったりまあいろいろ。 最初の山音まーの「人のオンガクを笑うな!」だと宅見さんが1人で全部弾いてるし。 ギターもドラムもベースも全部。 そうするとやっぱしすごいパキッとした。

お:整合性があるというか。

は:もう完璧なアレンジになるし。 人と一緒にやってるとやってる人たちのノリになるし、 毎回一緒な良さもあるし、毎回違う良さもあるし。 まあそれは何がよいのか実は分からない。

お:そうですね、やってみないと分からないところもありますよね。

は:あとスケジュールが合わないとか。 ギャラが高いとか。

は、お:(笑)

お:まーさんとしては今回のチームはどうだったんですか?

ま:今回のチームはすごいセンスが匂う、センスが香る感じで。 ああこの人が叩いてるんだとか この人がやってるんだっていうのが分かる感じがして。 なんかそういうの楽しいなって。 そういうのが混ざるのが。

お:音を聴いて誰がこんなことしてるっていうのが想像がつくってことですか?

ま:顔が分かってるからだけど、なんかその、 ちゃんとその人の感性でやってくれてるんだ、やってるんだっていうのが分かる。

お:だから自分も自分の感性ぶつけようっていうか。

ま:うん、なんかぶつかり合いの感じがしましたね。

お:それは素晴らしいですね。

山根万理奈サウンドの柱

お:先程からグルーブという言葉が出てきますけど ノリっていう感じですよね?

は:うん、例えばメトロノームに合わせて 音程をぴったり教科書通りにやっていいなと思うときもあるけど、 それだと味がないというかノリないじゃんっていう。 ちょっとずれてるけど勢いあっていいねみたいな感じをグルーブって言います。 ん?まぁいいか。

お:うんうん。

は:ノリは人それぞれの体調だったり天気だったり、 持ってるものだったりで変わる。 それがバンドで人と一緒にやるときに うまいうねりになってるといいし、 それをそのまんまCDにできればいい。 でも結構みんな、俺たちもそうだったんだけど、録った音を直すんですよ。 ずれてたりするのをピッピッってコンピュータで全部直しちゃう。 それをしないっていう縛りが今回の面白さっていうか。

ま:それをみんな楽しんでやってたから、 それがすごい良かったっていうか。

は:歌も多分もっと細かく直したり 完璧ですねっていうふうにはできるんですけど、 そうじゃないほうが飽きないんじゃないかなってなんとなく前から思っていたし、 山根万理奈のサウンドにはこっちの方が絶対合ってるなと思ったから今回そうしたし。 それはうまくいったような気がする。 散々いろんなことやったけど山根万理奈サウンドの柱ができたかな。 土台が作れたような気がしますね。 メンバーも含めて。

お:そうですね、その場で歌ったのがそのまますっと入ってくる感じがしますね。 「時のまにまに」なんかは特に。

ライブと音源の違い

お:ライブでの音とCDに乗せる音を どういう風に分けて考えていますか?

は:ライブと音源との違いですよね。

お:そうです、ライブをバンドでやったときにそれを録音したらCDが出来上がったというのとは違うんですよね?

は:そこは面白いところですよ。

ま、お:うんうん。

は:それもねえ散々考えて、ライブがいいんだから、 ライブレコーディングするかっていうのもかなり前から言ってたんですよ。 実際ちゃんとしたレコーダーで録って、 家で自分で音をいじってたりしてみたことはあるんだけど、なんか違うんですよ。

お:なんか違うんですか。

は:それはライブはライブでお客さんもいて それぞれ小屋の雰囲気もあって、顔が見えてるところでの良さだし。 それを音だけ録ってやると、なんか違うというかな。 で、今回はスタジオで一発録りしてるけど ライブのライブの感じと スタジオのライブの感じは違うし。 CDにするんだったらやっぱりスタジオでとったほうがいいなあ(笑)

お:そこはまーさんも同意見だったんですか?

ま:うーん、できるんだったら。 ライブ版はライブ版だし。

は:やっぱし、お客さんだったりなんだりの目があるところでボンと歌うのと 一応せーので録るけど余計な音が聞こえないところで 集中力出すのとは違うんじゃないですか。

ま:なんて言ったらいいかな、 違うパワーが出ますからね、 ライブのとき。

お:方向性が違うんですかね。

ま:なんか違う気がするなあ、 ライブの方は魅せるものがやっぱあるんだと思う。

お:魅せるものっていうのは?

ま:視覚的なこともそうだし。

は:スタジオの一発録も別にライブっていうわけじゃないからね。 だって本番を何回かやることがあるわけで。 ライブ中に同じ曲を何曲もやったりしないでしょ。

お:そうですね。

は:その違いはでかいんじゃないですか。

お:うんうん。

は:あと、ライブは途中で止めたりもしない。 スタジオの一発録りは、ライブ録音に近い形でやってるけど まあ全然違うものですよ。

アルバム収録曲について

砂漠のマーメイド

は:「砂漠のマーメイド」もね、 このメンバーのバンドでやったからこそこの音になったんだと思う。 それこそ、ベースを聴くべきですよ(楽器トークのアルバムをより深く楽しむためには?を参照)。

お:うんうん。

は:かっこいい、しびれる。

お:最初のイントロからいいですよね。

は:うん、ガッキーのギターもめちゃくちゃいい味だしてるし。

お:あと、「砂漠のマーメイド」で僕がいいなと思ったのは まーさんの低音が久しぶりに楽しめるところですね。

ま:久しぶりに楽しめる、久しぶり(笑)

お:久しぶりっていうかなんというか ちょっと闇があるような、「指切り」でやったような感じのあの低音が 聴けるなと思って。そこが僕は個人的に好きなんですけど。

は、ま:おー。

お:まーさんとしてはどこが注目ポイントなんですか?

ま:でもやっぱ、ドラムかなあ。

は:ドラム入るとことかも超かっこいい。

ま:アコギがずっとミュート奏法なのもいいですよ。 アコギはずっといるんだけど派手なことしないんですよ。

お:派手なことしないっていうのは?

ま:ずっと同じことやってるんですよ、だんだんだんだんだんって。

お:ミュート奏法を僕は理解してないんですが。

ま:弦をじゃらんって響かせるんじゃなくてこもらせるというか。 そうすると音が伸びなくて、 それが乾いてる感じがするし。

お:砂漠らしい感じ。

ま:うん、それがよかったなあと。

お:ところでまーさん干物女してるんですか? 女子力不足を指摘されたと ブックレットに書いてありましたけど。

ま:そうですよ、みんなが見てる私はすべてじゃないですからね、 はっはっはっ(笑)

X-day

お:リリース前に「時のまにまに」とか「オトメコーヒー」とかは披露してましたよね。 一方でアルバムで初めて披露する曲がありますよね。 それは何か違いがあるんですか?

ま:単純にこの曲はよくできたからすぐやってみようみたいな(笑)

は:やってる曲はできたからとりあえず人前でやってみたいと思ってやってるんじゃないかな。 アルバムの中にそういうものは何曲かあるんですよ。 でも、そのときやったのと今回の音源と実はアレンジや 曲のノリが全然変わってるのがある。 実際、僕もライブで新曲ですってやられてこれは没だなと思ってたのが 一番良くなったなみたいなものもあるわけですよ。

お:それは何ですか?

は:「X-day」かな。

お:「X-day」、確かに1回ライブでやりましたね、これは大変身しましたよね。

は:初めてライブで聴いたとき、これはちょっとないなあと思ってたんだけど バンドリハやったときにリズムの感じをギリギリダサくならないように ストイックにストイックにやってくれってみんなに頼んで。 派手にしないでほしいって言ったら、彼らみんなセンスいいから すぐ分かってくれて、あっこういうビートでやればいいんだ!みたいに なった瞬間から突如名曲になるわけですよ。

ま、お:うんうん。

は:普通にアマチュアバンドとかが この曲なんだけどってやったら結構やばいですよ。 べたべたな歌謡曲みたいになっちゃうと思う。 でも、ストイックに すごい面倒な演奏の仕方をしてもらったら かっこいいぞおい!みたいな。

お:(笑)

は:カンカンカンって普通にディレイ効かせたエレキとかでやられると ちょっとやばいですね。

ま、お:(笑)

お:まーさんとしては、「X-day」は想像してた感じになったんですか?

ま:それこそ、派手の極みみたいなものを多分私は思ってたんだと思う。 だからそういうイメージで弾き語りもやってただろうし、 それを受けた畑さんはないなと思っただろうし(笑)

お:うんうん(笑)

ま:ほんとそこはアレンジ力。

は:そうそう、アレンジによってほんと曲変わるし。

ま:そういうのは多分みんなあるんだと思う。

は:最初曲きいたら、「メランコリック」みたいな感じにしたくなる。

お:なるかも(笑) これは大変身しましたね。 何回も聴ける、中毒性のあるような感じがある。

は:そうですよね。

時のまにまに

お:「時のまにまに」はどういう時期にどういうきっかけで 出来た曲なんですか?

ま:レコーディングの前のギリギリまでつくっていた曲です。 曲出ししてて、もっとこういう曲ほしいなみたいな話を畑さんとするんですよ。

は:フォークっぽいイメージはあるのに フォークソング的な曲がないんですよ。 で、もろにフォークみたいなのがあってもいいな、 そういうの作ってよって話をして。 それで、「時のまにまに」とか「てつやの恋人」とかができたんじゃないかな。 これまで作った曲は、意外にどれもポップっていうか。 田舎さ100パーみたいなのは、歌い方とか詞もきっと合うなあと前から思ってて。

お:それは僕も思います。

は:なんか聴いてて安心するじゃないですか。

お:そうですね、飽きないというか。

は:ちゃんとこう詞の中でも起承転結というか オチをつけるところまでやるからいい歌になるなあと 思った通りになってました。 たいしたもんだなあと。

ま:まあ、(これまで作り方だと)それこそ詞が先にできるし、 こういう恋の歌にしようとか、 その曲のテーマ、内容のテーマみたいなものはあるけど こういう曲調でとかじゃないから。 フォークみたいなものをっていう意識でつくった曲。 私の場合、フォークっていうと最初、お父さんが弾いてた「神田川」とかがすごい浮かんでくるんです。

お:古めの曲…

ま:ははははは(笑)

ま:じゃあ私が思う現代版の「神田川」みたいな情景じゃないですけど、 そういうのってどんなものだろうと考えてかいていった。

お:これは実話なのか妄想なのかって言われたら?

ま:うーん両方じゃないですか。

お:両方、混ざってるんですね。

ま:なんかそれこそ、すごい移動とかして、車でも移動するし。

お:ライブの遠征とかで。

ま:そうそう。バス乗ったりもするし、旅してていつも同じところにいないし、なんかそういうのも浮かんできて。

は:いや,高速バス辛いんですよ

ま、お:(笑)

は:半年前ぐらいに一度、車が使えなくて高速バスでライブの移動をしたことがあって。 その高速バス、お客さんが若者しかいなくて満員なんだけど、明らかに歳食ってるのが俺だけで。 これはこれですごい情景だなと。 みんな何しに行ってんだろうって考えたら、 友達に会いに行ったり買い物行ったり遊びに行ったりいろいろしてんだろうけど。 (まーさんも)東京出て来るときも最初高速バスで来たし。 今の若者のいろんな人生がそこに絶対出てくるなと。

ま、お:(笑)

は:高速バスの歌とかいいなと。

ま、お:(笑)

お:高速バスの歌じゃないですけど、 でも最初高速バスで始まってるんですよね。

は:基本高速バスの歌じゃないですか?

ま、お:(笑)

は:だって最後も会いに行くよだし、 高速バスでの時のまにまにの歌じゃないかな。

お:そうですね。

は:「時のまにまに」っていう映画つくろうと思ったら 最初も最後も高速バスのシーンでしょ。

ま、お、は:(笑)

は:途中でいろんな物語はいってくるけど。

お:そうですね、回想シーンとか。

は:最後はバスも止まって降りて、朝日を浴びてみたいな。

お:これ深夜バスなんですか。

は:絶対深夜バスでしょ、寝てるもんだって。 だからまにまになんだよ。

お:まにまにって物事の成り行きにまかせてみたいな感じですよね。 最初は知らなかったのでまにまにってなんだろうと思いましたけど。

は:lownで1回ファンの間でまにまにショックが走って。

ま:まにまにショック(笑)

は:ちゃんと調べてきてる人いてね、ファンの間であそうなんだ!って。

お:知らないと意味がわかんないですよね。 使わないですからね普段。

ま:私もなんで出てきたのか思い出せないですね。 だって使わないですからね、普段(笑)

お:(笑)

ま:でもどっかで聞いたんだろうね。

ふたりのとき

お:「ふたりのとき」は最初聴いたときはピンとこなかったんですけど 最後のほうにふたりで土に還りましょうと出てるので すごい壮大な曲なんじゃないかと途中で思い始めたんですね。 これはどういうつもりでどういう曲が書きたいと思って書いたんですか?

ま:これはあたしの、理想のカップル像なんですよ。 死ぬまで一緒ってわけじゃないですけど、添い遂げたいというか そういうイメージ。

お:それが土に還りましょうになるわけですよね、添い遂げたいっていうのが。

ま:そうそう。

は:まあ理想の夫婦の歌だよね。

ま:今までは「好きで悩んでるわけじゃない」だと 思春期の恋の歌だったりするじゃないですか。 この曲はもっとその先へというか。

は:だって子どもができたりぼけたりいろいろしてるからね。 だからね、「ふたりのとき」っていう映画があったらね、 最初は葬式のシーンから。

ま、お:(笑)

お:そっからですか。 それミュージックビデオ作らないんですか、そういう風に。

は、ま、お:(笑)

ま:畑さん、映画撮りたいって(笑)

は:そう、映画撮りたくてしょうがない。 早く売れてくんないかなあって。

お、ま:(笑)

お:「君を好きになったんだろう」のときも映画作ったじゃないですか。

は:あれは別に俺が作ったわけじゃない。

ま:監督じゃないですよね。

は:ひどいよね。

ま:いや~あのときはみんなの反応面白かったですね。

ま、お:(笑)

ま:見てられないっていう(笑)

は:あれはなんだったんでしょうね。 君好きは金かけてミュージックビデオをちゃんと作りたかった。 でもその予算がなくて、それを出してくれるっていうから、 いろいろドワンゴを絡めたりして仕組みは作ったんだけど。 なんでああいうものになったのか訳が分かんない。

は、ま、お:(笑)

は:「ふたりのとき」の話に戻ると、これは時間軸が長い歌っていうか。

お:これは結婚式に使うのもありなんじゃないかと思ったんですよね。

は:まさにそういう曲ですね。

ま:是非使ってください(笑)

お:僕に言われても困ります。そんな予定ないですよ(笑)

ま:これは本当にハッピーな曲だと思うので。 あと、この曲作った後で思ったのは、 自分って忘れっぽいんだなということ。 「あなたに」の歌詞にもありましたけど。

お:名前の話ですかね。

ま:そう、名前忘れてもそのときの思い出は覚えてるというような歌詞に、ちょっと近い部分があって。

お:どの辺がですか?

ま:「忘れてしまった日も ふたり 生きた証があるように」という部分。

は:俺はそこは子どもとかできればいいなという意味かと。

ま:そういうのもありますけど。 忘れるというフレーズが出てくること、 出てきたことに自分で受けたっていう。

は:そういうことを気にしすぎ。

は、ま、お:(笑)

お:まあ、それもまーさんらしさじゃないですかね。

は:そうそうそう。 多分そういうことを気にする人はいない。

ま:忘れることがやばいと思ってんだと思って。

は:そういう人なんだよ多分。

ま:そこが出てるなってことに自分で受けたんですよ

は:もう1回ぐらい多分出ると思いますよ。

は、ま、お:(笑)

ま:それも作ってるときは気付いてなくて、 後々見てみて初めて分かるから、また出てくるかもしれないですね。

は:三年後ぐらいに。

ま:あっまた言ってる!みたいな(笑)

は、ま、お:(笑)

お:そのときはちゃんと突っ込みを入れられるように覚えておきます。

は、ま、お:(笑)

ワイキキ・チェキラ・シェキラ・ビーチ

お:この曲は以前、「真夏のラブソング」というタイトルでしたよね。

ま:そうですね。

お:これずいぶんアレンジ変わりましたよね。 歌詞もワイキキ・チェキラ・シェキラ・ガールという聞き慣れない言葉が出てきますけど、これはなんなんでしょうか?

ま:これはねぇ意味はあるけど意味はないみたいなことっていうか。 私は意味をつけたがるんですよものすごく。

お:言葉に対して?

ま:ん~なんか、曲の中で起承転結がはっきりしてるとよく言われるんですけど、 はっきりしたものじゃないとってどこかにこだわりがあって。 そういう曲のつくり方になってしまうんです。

お:確かに「P.S.」とかそういう感じですよね。

は:アルバムでどんな曲を入れるか、もっとこういう曲がほしいとかいうのは、 僕の方でなんとなく管理してるんですよ。 で、この曲(ワイキキ)を入れるかどうかというときに 元のままだとなんか面白くないというか分かりやすすぎというか。 で、歌謡曲の作詞家に俺がディレクターとしてリクエスト出すときみたいな感じでちょっと言ってみたのよ。 初めて聴く人がなんだこれって思う感じの言葉ないの?って。 で、何個かあげてきて、じゃあもうこれ(ワイキキ)でどうですかみたいな。 いいじゃん!って。なんのことだかわけわかんない。

ま、お:(笑)

は:なんかわくわくするぞみたいな。 最初のユーザーとも言える俺が、浮ついた曲だからそのぐらいタイトルいっちゃってもいいじゃないですか!みたいな。 そういうやり取りはたまにやるんです。

ま:なるほどと思って。 で、出てきたのがこれだったいう(笑)

お:僕と思考回路が違いますね(笑)

ま:(笑)でもそれも何かこうディレクションがないと そこに私も辿り着かなかったし、なんか迷路みたいなことですよね。 思いもしなかったほうに出ましたよ、いいほうに。

は:面白いから、こっちからリクエスト出すととりあえず すぐポンと返ってくるんですよ、それはさすがっていうか。 で、俺もなんか違うなと思ったらすぐ違うって言うし。 そのやり取りはこのチームはかなりポンポンポンポンいくんですよ

お:それは楽しそうですね。

ま:途中経過とか見せれないけれど面白いと思う(笑)

は:それはそうだね。それは俺だけの特権。

ま、お:(笑)

は:でもたまにね、そりゃーねーだろー!みたいなのが。

ま、は、お:(笑)

ま:制作してるとそういういろんなのがあります(笑)

お:制作秘話はファンの皆が期待してるんじゃないですかね。

は:そりゃねぇ制作秘話が一番面白いよ。 今回の座談会も本当は売れてから10年ぐらい経ってからやるようなことだよ。

は、ま、お:(笑)

は:あのアルバムはさあ、今だから言えるけどさあなんていうような。

お:確かに。

は:でも今のファンとの感じだったらこのぐらいいいと思うんですよ。 もっとぶっちゃけでいいなといつも思ってて。

お:ふんふん。そういえばワイキキにはまーさんのコーラスが沢山入ってますよね。 う~ってロングトーンしてるのこれもまーさんの声なんですよね?

ま:はい。

お:ハモリは全部まーさんが考えてるんですか、それとも斉藤さんがこういう感じはどうっていう風に?

ま:全部私ですね。

お:そうなんですね。

ま:今回はほんとに私ですね、全部(笑) 結構今までのアルバムでも自分で考えて持っていってやる感じですね。

は:今回コーラスはね、斉藤さん全く関係なくやっちゃって軽くむっとされてますからね。

は、ま、お:(笑)

お:斉藤さんとしては自分の手の及ばないところでどんどん決まってるってことですか。

は:今回はその方がいいなと思って。 プロのアレンジャーが考えるんじゃない声が沢山入ってたほうがいいなと思って。

お:ふんふん。

てつやの恋人

お:僕はまだ「てつやの恋人」にピンとこないんですよね。

は:「てつやの恋人」はライブで聴いても意味が分からない人多分いると思う。

お:まず「きみ」っていうのはてつやの恋人ではなく、てつやのことですよね?

ま:てつやですね。

お:そこでまずちょっと迷いました。 あと、この曲だけ俺っていう一人称使っているんですよね。 それはまーさん曲の中では初めてなんじゃないかと思ってたのですが。

は:確かに。

ま:曲の中の俺っていう人が俺って言う印象だったから。

ま、お:(笑)

ま:私の物語の中で、一人称はこの人は俺だなってキャラがあるんですよ。 相手のことを君っていうかあなたって言うかも関係あるんですけど、 自分の思うキャラがいるんですよ。 俺様は初めて出てきたってことですよね。

お:そうですね、だから俺様がてつやに向かって歌ってるわけですよね。

ま:そうそう。

は:よく出来た歌だよ。

ま:ちなみにハモリはおばちゃんっていう設定。

お:ああそれはすごく分かりました。

ま:嬉しい。 俺とてつやが話している横で入ってくるおばちゃん。 おばちゃんは他人事として面白く言ってるだけっていうイメージ。

は:おばちゃんハモリの音量をどうするかがすっごい悩んだ。 でかくてもだめだし小さくても面白くないし。

お:おばちゃんだと分かる程度に大きくしないとだめということですよね。

ま:そうそう。裏設定としておばちゃんのことがあるんですよね。 あと、これも結婚式にいいと私は思うんですけどね。(ふたりのときの項目を参照。)

お:ああ、その新郎の友人が歌うんですね。

ま:てつやじゃない人は替え歌すればいいと思うんですけど(笑)

お:「てつやの恋人」を結婚式でという発想はなかったです。

ま:これはちゃんと最後は幸せでっていうので終わるから。

は:そう、やっぱねえ…、 オチが出てくるまで長いんだよ…(誰よりもの項を参照)。 結婚式みんなおしゃべり始まっちゃうよ。 なんのこと歌ってるのかわかんない、 てつやは一体誰だ?みたいな。

ま、お:(笑)

誰よりも

お:曲順は二人で相談して決めたんですか。

は:曲順はね、俺が勝手に決めちゃってるんですよ。

お:そうなんですね。

ま:最初は「誰よりも」と「ふたりのとき」は逆だった。 でもそれは換えてよかった。

お:換えてよかったっていうのはどういう?

は:「誰よりも」が4曲目にあると それを推してるみたいな感じになるでしょ? まあ推したいんだけど、 「誰よりも」はちょっとアルバムの後半に入ってて あの曲がいいよねって言われたほうが幸せかなと思って。

お:ふんふん。「誰よりも」もどっちかって言うと 起承転結がわかりやすいような曲だと思うんですけど。

は:そうですね。 この曲に今の山根万理奈の課題がすっごいあると思うんですよ。 っていう話もよくしてるけど、 この曲めちゃくちゃいい曲だし、 最後の最後でみんな泣かされるじゃないですか。

お:はい。最後の最後というか僕はもう「おはよう」のところで。

は:涙腺弱いな~。

は、ま、お:(笑)

は:まんまとひっかかってんな~。 まあでもそうだよね、最初はそこで。

お:最初はそこできますよね。

は:だけど、なんていうのかな、 この曲、すごい理路整然として破綻がないじゃん。 現代詩としてポエムとして商売するんだったら すごい良いけど、歌手っていうか歌謡曲というかポップソングというか、 歌だとどこか綻びがあったほうがいいと思うんですよ。 突っ込みどころがないじゃんっていう。 で最後の最後にならないとオチがつかないっていうのも。

お:母っていう言葉ですよね。

は:それはそれで美学としてはすごい分かるし俺もほんとはそういうところ好きだから一緒にやってんだけど。 売れるってことを考えるとそこをどうブレイクスルーするんだっやまねっていう。次の課題はそこかな。

ま:そうですねえ。

は:一番の途中ぐらいで、母になりたいの感じが出てきたら間違いなく売れるでしょ。

は、お:(笑)

は:ワンコーラスきいてその感じが伝われば、曲の良さが分かる人もっといるじゃないですか。

ま、お:ふんふん。

は:インストアとかで「誰よりも」をやって最後まで一生懸命きいてくれる 親切な人は感動するけど、 大体みんな一番と二番の間でどっかいっちゃうんだよ。

ま:あ~。

は:それがない曲っていうのが「君を好きになったんだろう」なんですよ。

お:あ~。

は:君好きも基本的に最後まで聴かないとだめなんだけど あの曲はなんか変な魔力があって通りすがりの人に聞かせても どっかでひっかかってんですよみんな。 多分使ってる言葉が聞いたことないことを歌にしてるっていうか。 銀の玉?!

ま、お:(笑)

は:そういうことだと思うんですよ、ポップソングって。 そのなんかコピーじゃないけど、キャッチする言葉がある。 君好きはね、結構どこでやっても足が止まりますからね。

お:そこはまーさんも感じてるところですか?

ま:まあ君好きは分かりやすいんだろうね。 曲調とかも盛り上げ方とか、それは感じますね。

お:これが課題なんですね。

ま:そういうのもずっと話してることですね。

お:分かる人にはすごい良い曲だって分かるんですよね。

は:作る曲全部上品だし、素晴らしいと思いますよ。 だけどそれが、アルバム40分50分とか一曲5分とかちゃんと聴いてもらえることってほとんどないわけで、どっかで引っかかったり、なんかおっ!みたいなことは努力しないとだめだなとは、俺の立場だと特に思うし。 で、そういう曲をつくれ~って嫌がられながら言い続けるのが仕事みたいなもんだし。 それは多分売れてからもまた別の悩みが出てくる話だと思うし、 売れるための努力をしない人は売れないし、 売れた方がいいし、絶対。

ま:売れたいから好きなものだけ作るんじゃなくて 言われたことを直して改善していきたいし良いようになりたいし。

は:売れたいですよね。

は、ま、お:(笑)

は:こういう良い歌沢山あるんだからね、みんなに聴いてほしいですよ。

お:そうですよね。

たぶんね

は:「たぶんね」は掛け声入れすぎて大顰蹙を買いました。

ま、お:(笑)

お:あ、クラウドファンディングのアレですね。 (注:クラウドファンディング参加者にはアルバム発売日に 「たぶんね」のガヤ増しバージョンがプレゼントされた。)

は:そうそう。

お:聴いてきました、ちょっと笑っちゃいました。

は:でもあんなもんじゃなかった。 アレでも半分ぐらい。

お:ライブではああいう感じにしたいってことですか?

ま:みんなに合いの手を自由に入れてもらって あの曲だけは騒いでいいよっていうことに。 今回はそういう曲はあんまりないので、 この曲はいいよっていうアピールなんですけど。

お:むしろやってほしいというお願いなんですかね?

ま:やってほしいですよ。

お:これは楽しいですね、 フワッフワッ(↑)に加えてハイハイ!が入っていたりして。 他にも何かありましたよね。

は:LOVE(エルオーブイイー)まで入っちゃってますよ。

ま、お:LOVE(笑)

お:なんでここでLOVEなんだろうと思いましたよ(笑)

ま:(笑)

は:俺の中でのツボは一番最後ですよ。

お:何か言ってますね。

ま:どうどうどう。

お:どうどうどうってどういう意味なんですか?

ま:まあまあまあ。馬とかでよくどうどうって。

お:はあはあ。

は:カウボーイ的な。

ま:そうそうそう。

は:それ説明されないと分かんない。

お:分からないですね(笑)

ま:レコーディングのときそれ何?って言われましたもん。 告白応援団というつもりで合いの手を入れていて、頑張れっていうつもりで担ぎ上げてる感じ。ライブのときはみんな騒いでほしい感じがしますね、これは。

は:意外に「大阪の女」のときにね、みんな合いの手できるようであんまりできてなかった。

お:ごめんなさい。

は、お:(笑)

は:意外にみんな聴いてないじゃんって。

お:合いの手入れることを意識して聴くのとただ聴くのと違うんですよね。

は:意外にできない。

お:そうですね、やると思って聴かないと覚えられないですよね。

オトメコーヒー

お:畑さんは坂田さんのドラムが好きとのことでしたが、 まーさんはこの楽器が好きだ!っていうものは何かありますか?

ま:この楽器が好き?曲の中で?

お:曲の中でもいいですし、Jpopとか聴いてて この楽器の音は注目していると言えるものでもいいです。

ま:楽器かあ~、ベースとか好きなんですよ。 結構ブンブンいってるやつが好き。

お:ベースといえば「オトメコーヒー」で ドゥンドゥンドゥンドゥンってやってるのが僕好きなんですよね。

ま:「オトメコーヒー」は音数が少なくてやさしい感じだから ベースの音がいい感じに立ってますよね。

お:こういうのじゃなくてまーさんはもっとずっしりしたズーンというのが好きなんですか?

ま、は:(笑)

ま:曲によりますけど結構激し目のバンドのベースとか好きだなあ。

お:具体例は?

ま:えっ!ぐたいれ~?

は:バンドもんとか?

ま:バンドもんとかごりごりの感じが。 だからマキシマムザホルモンとか好きです。

街角

お:ツアー初日6月13日lownのライブでは街角をアンコール前の最後にしたのは意外でした。この街角という曲に何か思い入れがあるんじゃないかと僕は感じ取ったんですがどうでしょうか?

ま:いや、思い入れはありますけど。 ライブはライブの曲順だっていう見方もありますよね。

お:そうですね。

ま:そのときはただ流れがよかったから(笑) もちろん思い入れはあるけど。 曲の解釈はいろいろだと思います。 特にこの曲は。

は:ラブソングとかじゃないからね。 でも解釈って言っても、書いてある通りだと俺は思う。

ま:でも、ナタリーのインタビューのときにはっとしたのは、 街角は歌手としての私についての歌としてまずきこえるってこと。

は:そりゃそうでしょ。 そういう(まーさん自身と聴き手自身についての)ダブルミーニングみたいな表現ってことなんじゃない?

ま:ダブルミーニングはそうかな。

お:歌うのがまーさんであることによってダブルミーニングが生まれるってことですよね。

は:まあ歌ってそういうもんでしょ。

ま:それはそうですね。

お:その人が歌うからこそ意味が出るっていう。

は:そうだし、今の自分のもどかしさっていうか、夢とか挫折とか 人生が詰まってるわけで。 そしたら、この歌は私をもっとちゃんと注目してよっていう叫びだし、 街角にあった花に自分の人生を投影して いろんなことを考えてるわけで。 まさに愛と妄想、25歳。を代表する曲じゃないですか。

お:そうですね。ジャケットも街角を意識してるんじゃないですか?

は:それはね、たまたま。

は、ま、お:(笑)

お:ツアー初日のlownライブで街角を歌う前、 「見つけてくれてありがとう」って確か言われましたが、 それが歌手としての私の叫びとつながってるわけですね。

ま:それもそうだし、今日のライブを知ってきてくれてありがとうってことも思ったし、 あのときの言葉は、そういうのも全部含めて。

は:それはそうだよ。 だからもっとみんな沢山見つけてよと。 見つけてくれる人が沢山いたらもっといろんなこと起きるし。 あと、花枯らすなよってことじゃん。

は、ま、お:(笑)

ま:そうですそうです、花を見つけてくれっていうことです(笑)

は:俺としては、せっかく花飾ったのに枯らしてんじゃねーよって。

お:そうですね(笑) シンガーソングライターとしてこれからもやっていくために 見つけてもらって、より花開くように応援してほしいっていうことでもありますよね。

は:そういう意味もあるだろうし。

ま:まあ終わりもあるものだし、命あるものだし、 そういうのも全部、全部。

は:まあ全部だね。だからすごく良い歌。 だって、人生物心ついたときからずっと街角にいるようなもんなんですよ、 …俺が言ってどうする。

お:(笑)ではまーさんから…

は:(笑)

ま:あんまりそういうの語るの恥ずかしいですよ(笑)

は:照れるからね。 まあだから、街角は書いてある通り、歌ってる通りだと思うんだけど、聴いてる人にとっては。 歌われているのは自分のことじゃないって思える人はすごい幸せな人だと思いますよ。 まあこういう歌がちゃんとすごい良い歌で書けるようになってちょっとうるっときますよね。

お:ずっと見てきた畑さんとしては。

は:成人式で着物を着てるような感じですよ。

ま、お:(笑)

は:この歌は、ものすごいキャリアのある渋いブルースシンガーが歌ってもものすごい良いだろうし、アイドルが歌ったって良いと思う。 両方やってほしいわ。

お:その人の物語が出るわけですからね。

は:そうそう、年齢とか性別とか関係なく、その人の人生が全部出てくるし。 カラオケで俺が歌っても多分いい歌。 だから相当な完成度ですよ。 俺は本当はこの曲でアルバム終わりたかったぐらい。 その方がかっこいいアルバムができるなと思ってね。 ずっとまりちゃんにちくちく言ってたんだけど。(まーさん:うふふふふ(笑)) まりちゃんは「あなたとわたしのうた」を入れたいって。 まあそれはそれでわかるから。

お:そこはファンの間でも議論になったところです。 「あなたとわたしのうた」はなぜアルバムに入れたのかとか なぜ最後なのかっていうのは。

は:まあ入れるとしたら最後しかないしね。 俺は「街角」で終わりたかった。 その方がかっこいいじゃないですか。

お:確かにかっこよさはそうですね。

ま:うーん。

は:でもそこでタイトル、ジャケ、「街角」ってきて最後の最後で 「あなたとわたしのうた」って言ってるところがね、 まあ山根万理奈なんだろうなっていう。

お:うんうん。

ま:そういうことなんだろうね、自分じゃあんまりわからないポイントだけど。

お:ところで、「街角」では一人称が「僕」になってますよね。 これはなぜですか?

ま:「街角」が歌っているのは、私だけのことじゃないから。 僕って、歌の中ではなんか性別わかんない感じがするっていうか。

は:たまに使ってなかったっけ? 自分のこと僕っていう歌ってなかったっけ?

ま:あるけどリリースのものはあんまりないかも。 HANASAL曲はめっちゃ僕なんですけど。

は:HANASALはそうだよね。 そっかそっか、そのイメージがあったから全然違和感がなかった。

お:他のまーさんが書いた曲は僕じゃない?

ま:あんまりないんじゃないかな。 一人称はやっぱり私が多い。 でも「雨の行方」は僕だったかな。 それは設定が男だから。 一方、「街角」は誰って特定しない感じというか。 それこそ私が歌うから僕は私のことでもあるのだけど。

は:うん、それがまたダブルミーニング的な深みがある。

ま:そういう受け取り方をしてほしいし、 自分もそう思ってるから僕だったんですけど。

は:女性シンガーが自分のことを僕って歌うときの ちょっと客観性が出る感じが曲に合ってる。 そこが「私」だとね急にすっごいドロドロし出す。

ま、お:(笑)

あなたとわたしのうた

お:「あなたとわたしのうた」の一押しポイントは最初のアカペラだと僕は思ってます。 ここを何回もリピートして聴くだけでも僕はハッピーになれるんです。

ま:ありがとうございます。嬉しいです。

は:やったね。

は、ま、お:(笑)

は:最初はここにギターが入ってたんですよ。 でもざっくりカットしてアカペラに。ガッキーごめんね!

は、ま、お:(笑)

は:それにしても、アカペラがCDに入ってて聴き手がぎょっとしない歌手ってすごくないですか?

お:というのは?

は:アカペラが嫌みにきこえないってすごいなあと思う。 他のアーティストだったらアカペラにしちゃえば?って言わないもん多分。 それは万理奈の持ってるいい個性だと思う。 そのぐらい歌に嫌みがないんだと思う。

お:ストレートに響いてくるってことですか?

は:そうそう、ストレートはストレートなんだけど、 嫌じゃない感じっていうか。 アカペラってちょっと押し付けがましいところがあるじゃないですか。 他の多く歌手の場合、アカペラで歌ったりしてたらぎょっとすると思うよ。 いい悪いとかじゃなくてね。

お:歌い手の個性の問題ですよね、合ってるかどうかっていう。

は:うん。

お:後、この歌は同じ言葉が繰り返されていて、歌詞を覚えるのが大変なのではと僕は思うのですが、 何か工夫されているのですか?

ま:歌ったり、聴いたりすると何か映像が浮かぶじゃないですか。 それこそストーリーのある曲だと その物語が浮かんだりするけど。 でもこの曲は決まってないんですよ、まだ。

お:浮かんでくる映像がですか?

ま:うん、なんか歌う度に毎回違うんですよ。

お:うんうん。

ま:浮かぶ映像は決まってないけど、この歌詞はこういう詩だと思ってるから。

お:こういう詩だと思ってるっというのは?

ま:元々詩だし。

ま、お:(笑)

は:みんな知ってる通り、ライブで結構歌詞抜けたり間違えたりするのに この曲はあんまり間違えないんですよ。

ま:なんだろうね。

は:最初の詩を自分で少し変えてメロをつけたじゃん。 メロも実はすごい抑揚があるというか 途中リズムも変わったりして展開があって、 それがすごいはまってるからじゃないかな。

お:音の流れがわかりやすいと。

は:そういう構成で、メロと詩が一体化してるんじゃないかと。

ま:うん。

は:その点、「X-day」のほうがやばいんじゃないかな。

は、ま:(笑)

は:途中でどこ歌ってるのかわかんなくなる。

ま:ストーリーは、はっきりしてるはずなのに。

お:あと、「あなたとわたしのうた」で、 僕が個人的に好きなところを言うと、 リズム変化前の誰かと重ねるこころ~と伸ばす部分、ハミング部分でまーさんの声と和音が すごい綺麗にはまってていいなあって思っているんですけど。

は:(笑)すっごい個人的(笑)いいねえ。

ま:(笑)

お:ここはハモリを入れたくなります。

ま:ああ~、合唱でやってほしいですよね。

お:ハモリパートを作ってほしいんですけど。

ま:あ、私がですか?私が作っちゃいますか?

お:高校の合唱部に歌ってもらってるのは、全部ユニゾンだったじゃないですか。 (注:まーさんの母校、松江北高等学校の合唱部による合唱の録音がされており、 その音源は人権啓発のイベント等で活用される。)

ま:そう。

お:少しもったいないなと思って。

は:確かに。

ま:合唱版への編曲は、私としては合唱の大先生にやってほしいな。 ハモリの、すごい良いやつ。

お:その方面の方に頼んでもらえませんかね?

は:誰かやってよってね。

お:ファンの中に音楽の先生とかいないんですかね?

ま:どうだろうな、みんな何やってるのか意外に知らないですからね。 だったら、それはもう(松江)北高の合唱の先生にお願いを(笑) 何かもう一回流れ作りたいですよね、この曲。

お:そうですよね、せっかく多くの方に知ってもらいたいということでアルバムに入れたんだったら。

ま:と思うんだけどな。

バンドでツアーをまわりたい

お:まーさんファンの中には、まーさんが売れっ子になってほしいと思う一方で、距離の近いライブがあってまーさんとやりとりができる今のこの距離が心地いいとも思っている方も多いと思いますが。

は:俺がライブの常連だったら別に売れなくていいって正直思っちゃう。 変な意味じゃなくて、このクオリティの作品を毎年出してて ライブしょっちゅう見れるんだったらいいじゃんって。

お:ですけど、売れてどんどん大きな舞台に立っていきたいんですよね。

は:そうだし、予算のこととか気にしないで 坂田さんにライブツアー来てほしいもん。

お:そうですよね、それは僕も思います。

は:だってバンドでライブやりたいから。

お:今回のツアー、フルバンドは一つも組めてないですよね。 そこは寂しいですよね。

は:ツアーでバンドでやってると曲変えたりするのはなかなか難しい。 1人でやってる良さは、ツアー中にどんどん良くなるところ。 試行錯誤しながら変えていくんで、もう次のライブから前回とは全然違うし。

ま:だから次の下北沢ライブちょっとまた違うふうになるかな。 (注:このときツアーは既にスタートを切っている。)

は:バンドでねいろんなスタッフいたりすると、 ほとんどツアーで曲順とかも変えられないっていうのかな、 照明さんが入った時点で曲順かえるとね、この野郎!みたいなね。

ま、お:うんうん(笑)

ま:売れたら両方良いとこどりができる。 バンドでもできるし、今やってるようなのもできるし、 やっぱ幅が広がる。 いろんなところに行くこともできる。

は:あと単純に人と一緒に演奏したりするのは楽しいはずなんですよ。

ま:やっぱりずっと1人だとね、うん。 たまに誰かと一緒に演奏したりしたら全然違うし。

は:それは演奏するほうのことを考えると 1人でずっとやらせてかわいそうだなというか大変だなと いつも俺は横で思ってる。(ま:(笑)) 俺も物販やる人とか、楽器担当する人とかほんとはいたらすごいいいなと。

ま:だって畑さん物販やりながら写真撮ってくださいって言われますからね。

ま、お:(笑)

お:そこはファンから見ても大変だなと思ってます(笑)

は:PAの人だってね専任の人がいたら一言言えば済むじゃないですか。

お:そうですね。

は:日本中でね顔色伺いながらね、こいつはあまり言わないほうが良いとかね、 顔色伺いまくってますよ。

大人の必死

は:フルバンドではないけど 青山でのライブでは斉藤哲也にベースを弾いてもらおうと思ってる。 (注:オフィシャルHP、PERFORMANCESに情報が既に掲載されています。)

ま:ハッピー海の日、7月20日ですね。

は:対バンで時間もワンマンに比べて短いし、 そういうことしないとみんなあそこ来ないなと思って。

お:初めての場所ですよね。

は:今、斉藤さんに是非ベースを弾いてってお願いしてる。 キーボードでやると大体どうなるか分かるしそれはそれでいいんだけど、 俺は、まりちゃんがアコギを弾いて歌って、そこにベースで斉藤さんいるのすごい良いと思う。

お:それは聴いてみたいですね。

は:斉藤さんベース弾くところすごく良いんですよ。 キャリア100パーの男が必死だから。

は、ま、お:(笑)

は:大人の必死やばいよ。

お:斉藤さん今アルバムがベース初挑戦なんですか?

は:いや、「歌ってhappy!」のアルバムでも弾いてるし、 他のやつでも弾いたりはしてるけど、ここまでがっつりは。

ま:ベースでのフル参加はないんじゃないですかね。

は:アルバム一枚ベーシストっていうのは絶対ないでしょ。 おかげで俺が貸したベースがもうすっかり斉藤さんのものになってしまった。

お:(笑)

夢だけで生きてるようなもの

は:先程の売れる売れないの話でいくと、 お客さんの人数増えたり、売れたりしても、 今のクラウドファンディングの人とか もっと遡ったら7208133の非売品のCDのときからメールで連絡とれるから、 そういう人たちを呼んで、 例えば武道館ライブの次の日にlownでやりましょうとかは、 lownの吉田さんともう話してるんだよ。 傍からみたらほんと能天気だなって思うだろうけどね。

は、お:(笑)

は:生活の心配してるところでその話か!みたいな。

お:いや夢は持っておかないと。

は:夢だけで生きてるようなもんだから。 そういう風にしたいんですよ

お:スケジュールとしては外に発表しないけど、 畑さんから直接、来てねと連絡するってことですね。

は:まあ先着何名になるかもしれないけど、 例えば今のクラウドファンディングの人だけで 連絡出したらlownのキャパで収まるし 日本中から来たとしても二日やればいい話で 各地のZeppでやったあとに内緒で城下公会堂とか すごい良いじゃないですか。

お:ふんふん。

は:島根県民会館でやった後に専念寺とかすごい良いじゃないですか。 そういうやり方をしますよ、こっちも楽しいし。

お:それが先程の話につながるわけですね。 まーさんと近い距離の雰囲気が好きっていうファンにとっても、売れても楽しめる場を作りたいってことですよね。

は:みんな連絡先は知ってるからねっ。

ま、お:(笑)

再生環境について

大きめの音量で聴くのがおすすめ

お:今回のアルバムは、再生環境が違うと多分違うように聴こえるんじゃないかと思うんですよね。

は:めちゃくちゃ違いますよ。

お:lownのスピーカーでアルバムが流れているのを聴いたときにすごく良いと思ったんですよ。 「X-day」とか低音がちゃんと聴こえるとすごい良いなと思って。

は:それは今回そういう音に作ってあるからね。 イヤホンとかヘッドホンはいいですよ。 近くてしっかり聴こえるから。 いいスピーカーとか、でかい音もいいんですよ。 音量あげてくれればカーステも多分OKなんですよ。 でも駄目なラジカセで小さい音で聴くと変な音に聴こえる。 普通に売ってるJpop系の音の作り方と大分変えてるんで。 音量を上げればちゃんと全部聴こえるけど、 小さい音で聴いたときは全部聴こえるようには作ってないんですよ。

普通のJpop系の音の作り方との違い

は:普通のJpopだと コンプレッサーっていうのを使って 音を圧縮するんですよ。(注:コンプレッサーは音の強弱の強さの差を縮小する効果がある。(wikipediaより)) そうすると、小さい音でも大きい音と同じ印象というかあんまり変わんないんですよ。 だけど今回のアルバムではそれをやってないから 小さい音で聴くと小さい音は全く聴こえない。 だけど、ある程度音量あげてくれると 全部が聴こえるように作ってある。

お:ちゃんと小さい音まで細かく聴こえるようになっているということですね。

は:そうそう、でかい音も音量上げるとに大きい音として聞こえる。 一方、コンプレッサーで音をつぶすと全部の音が均して聞こえるんですよ。 だから再生機器によって印象が異なるということを避けるためにJPopはみんなコンプレッサーを使う。 でも世の中はどっちかっていうとこっち方面にきつつあるというか。

お:コンプレスしないほうですか。

は:そう、Youtubeとか配信の海外のサイトは ラウドネス規格っていって、コンプレッサーで圧縮した音を でかく聴こえないようにエフェクトし始めちゃってる。 そうすると圧縮して音の情報量が減った分、音が悪くきこえるんですよ。 高音質のファイルをmp3に変換したとき音悪くなるじゃないですか、 その感じになっちゃうんですよ。 (注:このページで違いを聴いて確かめられる。→http://what-a-wonderful-world.hatenablog.com/entry/2015/03/19/004330

お:こじんまりとした音になっちゃうんですね。

ラジオは調整されるから大丈夫

お:じゃあラジオで今回のアルバム流すのは両刃の剣なんでしょうか? 広く聴いてもらいたいけど、音の作り方の違いのために良い印象で聴こえない恐れがあるという意味で。

ま:ラジオもその聴き方じゃないですか。 さっき畑さんがカーステはいいんじゃないかって言ってましたけど。

は:Tokyo FMとかよくかけてもらってるんですけど Tokyo FMだとディレクターが曲によって結構イコライザーで 音ちょこっといじるんですよ、昔からそうですけどそれがかなりうまくて。

お:良いように聴こえるんですね。

は:そうそう、 同じ音量レベルでやってると、このCDは音でかいけどこのCDは音小さいみたいなのとかあるけど、それはちゃんと調整してくれるんで、そんなに心配ないですけど。

ラジオ番組を持ちたい

お:ラジオで気になるのがまーさんがラジオ番組を持つことはないんですかっていうことですけど。

ま:ほお。

お:以前Music Spiceとかやってましたよね。それでトークが鍛えられてたと思うんですけど。そういう予定や、そういうのがしたいとかありますか?

ま:いや、したいです! 結構地元でこの間もラジオ出させてもらったけど、 万理奈さんこっちいてくれたらどーたらこーたらとか言ってくださるんです。 でも実際いないから(笑)

ま:レギュラーとしてってことですよね。

は:まあ地元にいて 交通費とかかかんなくてやれるんだったら 地元のラジオはやらしてもらえるところあると思いますよ。

ま:交通費とかちょっと出せないからね~みたいなことはあったりするかなあ。

は:てか全国ネットはまあねえ。

ま:それこそ売れないと。

ま、お:(笑)

ツアーへの抱負

お:今回のツアーで何かこういうことしたいとか、目標とかありますか?

ま:今回のツアーでこういうことしたい…うーん、 そこは単純にツアーが終わってもまた来たいって思ってもらいたいっていうのはあるけど。

お:うんうん。 ライブを聴いてもう一回来たいと思ってもらう。

ま:あと、今まで私のことをYouTubeとかで知ってたっていう人も結構いるけど、 アルバムがきっかけで初めてライブ来てくれる機会になるといいなと。

お:最初、僕自身ライブというものに行くのに対してハードルが高かったんですね。 そういうふうにライブ行くこと自体が普通じゃない人に対して、 どうしたらライブを身近に感じてもらえるかが 課題の一つなんじゃないかと僕は思ってるんですが。 何かいい案ありますかね?

ま:うーん。

お:まーさん自身にとってはライブは身近だったんですか?

ま:いや身近ではなかったかなそんなに。

お:どうして行こうと思ったんですか?

ま:うーん、最初は知り合いが出るって聞いて。 本人から来てって言ってもらえたから行った。

お:ふんふん。

ま:せっかく今、配信もやってるし、ツイッターとかもあって、 ツイッターはたまにですけどできるだけ返信してるんで、 なんかやりとりがあったら来やすいんじゃないかなっていうのは単純に思いますけどね、本人に来てねって言われたら。 行きたいけど行けないその自分の気持ちを何か言ってもらえたら こちらから何か言えるかもしれないし。 せっかくそういうものがあるときだから、そこは活かしたいなと思う。

お:確かにツイッターは一つの手段ですよね。 畑さんは何か考えてることありますか?このことについて。

は:いや、ヒット曲がつくりたいなって。 そしたらあの曲聴きたいなっていう感じで、 大体最初はそんなようなもんじゃないですか。 そうやっていろんな人来てくれるといいけど。 そりゃ目標だし、そうなるように頑張るけど。

不思議なコミュニティ

は:今のlownとか島根のライブの何箇所とか コアなファンが集まってやる山根万理奈のライブって 他の人そんな詳しくないから分からないけど かなり特殊なんじゃないかなと思って。 それはそれで、すごい面白くて。 地下アイドルのノリとも違うじゃないですか。

お:地下アイドルわかんないですけど(笑)

は:俺も分からないけど多分そういうのではないな、 アイドルって言うノリじゃないし。 でも年に1回ライブハウス見に行くかっていう渋い人のノリでもないし、 ライブすごいしょっちゅうやってるし。 なんなんだろうって。 で、ファン同士みんな仲いいし。 なんなんですか?

お:(笑)

は:だから結構面白いことになってるなあとは思うんだけど。 それが、どう広まるのかよくわかんないし、 今は今で一個そういうライブの形っていう他にない形が完成してるような気がするし。

お:なんか不思議なコミュニティが出来上がってますよね。

は:変にオフ会っぽい感じでもないし。 オフ会だったら主役を置いといてファンだけで盛り上がったりしそうじゃないですか。

お:でもまーさんはちゃんと中心にいるんですよね。

は:だからなんかね不思議な形になってるんだと思うんだけど。

お:そこは畑さんの人柄も関係してると思うんですけどね。

は:まあ全部がそういう要素だと思うけど。

お:そもそもまーさんの歌を好きになる人っていうのが。

は:それが柱であって。 で、遠くから来てくれたりもするし、 社会人なのにみんな大丈夫かね?と思うけど。 ちゃんと音楽が真ん中にあるし、すごい不思議でしょ。

お:不思議ですね。

は:多分そんないないと思うんだよなこの感じ。 ただそれを他の人にこういうのがあるからおいでよっていうことでもない気がするし。 やっぱり、武道館でもやるけど、今のメンツでlownでもやるっていうのが幸せなんじゃないかなと思うんだけど。 今のファンを100倍にっていう関係性じゃない気がする。 今は今で完成してて、それと初めて見る人一万人っていうのと 両方あるのが俺はいいかな。

は、お:(笑)

は:武道館ライブでイェーイっていうのの次の日に、 Tシャツ買ってね~って言ってる感じがいいんじゃないかな。 武道館で全員にTシャツ売ってたら死んじゃうからね。

ま:それは物販に出るっていうこと?

は:そうそう、腱鞘炎とかに普通になりそう。 ライブ終わってから3時間かかるとかね。

ま:物販やってると今でも呂律まわらなくなって、 訳分からない感じになるのに。 いつも来てて余裕で名前分かる人の名前分からなくなったりとか。

お:まあそれは「あなたに」があるから大丈夫ですよ。

ま:(笑)でも今でもそんな状態だから、そんな3時間もねえ(笑)

終わりにへ飛ぶ。


本編は以上です。お読みくださった皆さん、ありがとうございました。