2016年8月21日(日)@井荻チャイナスクエア

まーさん初自主企画のイベント, リスペクト先輩. 第一回目は音楽仲間として,また友人として 親交のある前田有加里さんを迎えての開催となった. ともに音楽的に影響を受けている尾崎豊さんをテーマに据えた.

セットリスト

  1. 17歳の地図(二人でcover)
  2. step by step(まーさん)
  3. ラズベリー(まーさん)
  4. ダンスホール(cover)(まーさん)
  5. 空な色(まーさん)
  6. feel on summer(まーさん)
  7. だらず音頭(まーさん)
  8. 君を好きになったんだろう(まーさん)
  9. 新しい風(前田さん)
  10. 白の世界(前田さん)
  11. 二人電車(前田さん)
  12. silence(前田さん)
  13. ふたつの心(cover)(前田さん)
  14. キレイゴトの詩(前田さん)
  15. ぶらぶら(前田さん)
  16. I love you(二人でcover)
  17. シェリー(二人でcover)
  18. 15の夜(二人でcover) En. 歌ってhappy!(二人で)

一曲目は「十七歳の地図」. seventeen's mapとその世代の人は言うらしいが, タイトルコールは日本語で「十七歳の地図」. 27歳のお二人が少しばかり若返った気持ちで, ギターをかき鳴らしているように思えた. ステージ上での演奏ではあったが,路上ライブであるかのような感覚にもなった.

その後はそれぞれの個人ステージ. 順番はというと・・・なんとじゃんけんでその場で決めるとのこと. まーさん「緊張してきた,でもこんな緊張しているのは私たちだけか」. 確かにじゃんけんでお客側は緊張しないと思われる(笑) 最初はグーじゃんけんぽんで勝ったのはまーさん. 前田さんはトップバッターのつもりだったらしくなんだか残念なご様子.

まーさんは久しぶりの「step by step」. 途中から手拍子も入って,最後は転調していき盛り上がる. 会場の一体感も相まって高揚感が心地よい. CDでは味わえない感覚だ.

その後はじっくり聴かせる曲が続く. 「ラズベリー」「ダンスホール」そして「空な色」. 今回注目すべきは「ダンスホール」. 数ある尾崎さんの曲の中から「ダンスホール」を選曲したのはなぜだろう. その真意はわからないが, まーさんのブルースマンとしての面が曲とマッチして 昭和な感じというか,哀愁漂う感じというか 感傷に浸らせてくれるような歌唱だった. 昼の公演ではあったが,チャイナスクエアを夜のバーだと錯覚した. 実際,まーさんのステージの途中でお客さんが入ってきて, それまで閉まっていたカーテンが少し開いた. そこでまーさんは「まだ昼間で外は明るいんでしたね.」と言う. お客さんはまーさんの言葉を読み取り気を遣い,カーテンを閉める. まーさん「あっ,ごめんなさい.やってしまった・・・」. そんなこんなでいい雰囲気で 「FEEL! ON!! SUMMER!!!」に「だらず音頭」で盛り上がる. 「FEEL! ON!! SUMMER!!!」では,おなじみ「1,2,3,4,ゴーマイウェイ!」のコールアンドレスポンス. 「「1,2,3,4,5,6,7,8」じゃないよ」と言って 前田組の皆さんから,笑いをとりつつ. (注:前田さんの曲「ぶらぶら」の中でそのようなコールアンドレスポンスがある.) 「だらず音頭」は(ツーマンライブの中?リスペクト先輩というコンセプトの中?)やるかどうか迷ったという. だが,ここはダンスホール. 昭和のバーとは程遠い雰囲気で座ったままではあったがマリナッチ楽団も前田組の皆さんも一緒に音頭を踊る.

まーさんのMC中では,こんな話もきけた.

カバー曲を歌うということで, まーさんの新たな魅力に気づかされる. たとえるなら, カバーするということは, 曲に自分なりの方法で光を当てるということ. その光の反射具合が聴き手に見える. そこから光源を想像することで,歌い手の持ち味を感じることができる. 月が様々な美しさを見せることで,太陽の偉大さを知ることができるように.

僕が前田さんの生歌をきくのは, まーさんとの江古田マーキーでの対バン以来. 個人的には「キレイゴトの詩」が好み. 「ぶらぶら」を歌うときには, 「1,2,3,4 Go my way!」じゃないよとしっかり笑いをとる. この場面に限らず,前田さんは,ステージにいながらにして, お客さんの雰囲気をうまく汲み取っていて コミュニケーションをとるのがうまいと思った.

最後は怒涛の尾崎さん有名曲カバーステージ. 個々の持ち味を出しつつ, ときにハモり,ときにユニゾンで決める. 自主企画だからこその準備があり,演奏がある. 贅沢な時間だった. また,お二人の仲だからこその会話があったりして, 和やかな雰囲気がとても心地よかった.

対バンライブとは異なる,新鮮さを感じさせるイベントだった. 今後この企画がどのような展開になるのか楽しみだ. (注:第2回は12月24日にmarinaさんを迎えて 「リスペクトキリスト先輩」が行われることが決まっている.)

なにはともあれ,まーさんの基本的スタイルは「歌ってhappy!」で, 最後のアンコールでは温かい歌声,拍手に包まれた.