7月3日(水)「THE LIBRARY vol.2」@渋谷duo

今回のライブハウスduoは横に長い空間。
二階席もあり、かなりの人数を収容できると思われる。
(気になる方は渋谷duoで検索をかけてみよう)
ステージも広々としていて、歌い手としては
気持ちよく歌えるのではと思う。

今回は女性4組が出演するイベントだ。
出演順は
下須万里子さん
井上苑子さん
山根万理奈さん
千佐真里奈さん
だった。

さて
一人目の下須万里子さんは鹿児島美人。
「Another day」はサビがキャッチーで元気が出る曲。
「Sing like speak」はタイトルの通り、
話すように歌うということで
言葉を大事に歌っているのが伝わってくる。
どこか沖縄、南国の雰囲気も漂う。

「Days」
"どうして私はあなたを守れなかったの"という歌詞が印象的。
雰囲気はdarkな感じだが独特の世界観を生みだしていてよかった。

「一人じゃない」優しい声がよく合う曲。
是非空を眺めながら聴いてみたい一曲。

「Startline」イントロから力強いストローク。
言葉大事にしつつ、力強い歌声で魅せる。
まーさんのスタートラインとはまた違った応援歌。

とても、日本語が聴きとりやすく、
言葉を大事にする歌唱が印象的だった。
音程につられて声の大小が変わるのではなく
自らの声をうまく制御して表現しているようだった。


二人目の井上苑子さんは高校1年生のピチピチの女の子!
(何かまずいこと言ったかしら?…お巡りさん呼ばないでねw)
とはいえ物怖じせず堂々としたステージ。
ライブ慣れしているのかもしれない。
これまでは大阪で活動していたが、
今年の4月に上京したとのこと。
一曲目は洋楽カバー。軽々と弾きこなし歌いこなす。
純粋に歌うのが楽しいという感じが伝わってくる
「ソライロブルー」
サビがキャッチーでバンドサウンドがイメージされる曲。
「風」
自信を持って歩いていこうよと背中を押してくれる応援歌。
「群青日和(カバー)」
この曲が好きなことがストレートに伝わってくる歌唱。
「運命線Believer」
ロックな感じ。これもバンドスタイルでぜひ聴いてみたい一曲。

とにかく歌うのが好きだというのが伝わってくる。
歌唱に粗は多少あるかもしれないけど、
それを補って余りある歌声の勢いは圧巻。
これからが楽しみ。


三人目はまーさん。まーさんだよ、まーさん。
「かくれんぼ」
一発目からまーさんワールド全開。
声が溢れる溢れる。他の曲もそうだったが、
ギターの音が心なしか小さく聞こえた。
他の出演者さんを聴くことで改めて気付かされたが、
まーさんの歌唱は息使いが特徴的。
ブレスはもちろん、伸ばした後どう次にうつるか
何度も歌って培ってきたものだと思う。
時に泣きを入れて、狂おしいほどの感情を伝える。
こういう歌い方の好き嫌いの好みはあるかもしれないが、
表現方法として持っていることは必ず武器になると思う。

「wonder」
二発目もまーさんワールド全開。
前奏はなかったが、「宇宙」という言葉とともに
まーさんが創造した宇宙に引き込まれる。
まーさんの声の力、歌の力を改めて実感。
何がよいのか?フレージング?理屈はわからない。
世の中言葉にできるもののほうが少ないと思う。
だから、そんなに焦って答えを見つけなくてもいいよね。

「へなへなん」
皆さんが元気にこの夏を乗り切れることを願ってと
MCで前置きをしてからのスタート。
手拍子して是非一緒に歌おう。
笑顔で会場を見渡し歌声を誘い出す。
あ~あ~から始まって出演者の
皆さんの名前をコール&レスポンス。
まーさんファンの方ばかりではないのと
ライブハウスが広いこともあって、
はじめ声は小さかったように思うが、
だんだん大きくなっていったと思う。
(僕も引っ張って行こうと思って頑張って声出しちゃったよ、テヘ)

「君を好きになったんだろう」
上からの垂直に地面に降りるスポットライト。
さあ、まーさんの語りが始まる。
とても個人的な感情であっても
奥まで探求し、それをさらけ出せば
普遍性を持った何かを感じさせる。

気持ちがすっきりしたのか
演奏後の笑顔が印象的だった。

「P.S.」
最後のまーさんワールド。
優しい控えめのストロークから
力強いストロークに変わり
転調して結び、余韻を残す。
曲の構成が内容とマッチしていて
鳥肌をやめさせてくれない。
(会場が多少寒かったがそのせいではない)
感受性が豊かだからこそ、
ちょっとした言動に様々な意味を見出してしまう。
それはときに辛いため、見てみないふりをしがちになる。
しかし、それでは心の距離は遠ざかるばかり。
今ならいつだって真っ直ぐみることができるよ。


まーさんワールドと表現してきたが、
すっと別世界に飛ばされるような
感覚に何度も襲われた。
ギターを持って歌い始めると魔法がかかったみたいに
どこかに連れて行かれるのだ。
(照明も効果的だったと思う。)
僕がまーさんに入れ込んでいることを置いておいても
何かあるのではないかと思ってしまう。
(万理奈マニアの皆さんはどうお考えでしょう?)


トリは千佐真里奈さん
ギターサポート、THE POOのたけしさんと一緒の演奏。

一曲目。タイトルは不明。
声は凄く当たりがよく、
硬質でのびのある高音が会場全体に響く。
二本のギターに負けない音量でびっくり。
失恋の曲だと思うけど…ね
二曲目のことは多分「ボクラの色」。
自分とは何なのかわからなくなったとき
手を差し伸べてくれる、そんな曲だと思う。

「流星群」
儚いきらきらを歌いあげる。
見えないもののほうが世の中多い。
どれだけのことを一つのものから想像できるだろう
こんな想像力をもって世の中を見ていきたいと感じさせる一曲。

次の曲はタイトル不明。
イメージイメージイメージ、
なんにでもなれるよといった言葉が印象的。
はつらつとした声に励まされて、とても元気がでる。

「言う」
ノリノリ。高音のファルセットも効果的に
使われていて耳に残りやすい。
客席を飲み込む勢い、巻き込む力強さがある。
歌うこと、演奏すること自体を
とても楽しんでいるようにみえた。

なんだかこれだけじゃなかったような気がするが…
全体的に、硬質的な声と柔らかい声、ファルセットを
うまく使い分けメリハリのある歌唱だと感じた。

ジャンプができない運動音痴とおっしゃっていた。
(実際、曲終わりをたけしさんと合わせる時の
ジャンプはほんの少ししか飛んでいないことを
たけしさんが教えてくれた)
ギターを力強くかきならす姿が印象的。
たけしさんとの息もぴったりで
とても楽しそうに演奏してた。
あほっぽいほうのまりなが私
と覚えてもらえるといいとおっしゃっていたが
そんなこと言わなくても天性のものを持っていて
記憶に残るシンガーソングライターだった。


それぞれの個性が光るイベントだった。
一瞬の結実。
そこに人間の輝きをみる。
そこに感動がある。
やっぱりライブっていいな。