10月9日(水)「1人キャンプファイヤー night vol.12」@下北沢lete

まーさんバンドの一人、斉藤哲也さんのライブに行ってきました。
ひとりキャンプファイヤーというのは、
震災後に斉藤さんがスタートさせた企画で
斉藤さんは11回目とおっしゃっていましたが、
題名を見ると12回目だと思われます。
ひとりでも音楽やっていけるようにと
考えて始めたそうです。

leteがどんなところかは
leteのHPをご覧頂くことにしておきます。
オシャレで温かい雰囲気のあるお店です。
おそらく多くの方にとっては落ち着ける場所になると思いますが、
僕は普段あんなオシャレなところにはいかないので
落ち着くのに時間がかかります(笑)


セットリストは曲名がよくわからなかったので
バシッと載せられません。
分かるものだけその時に記すことにします。

以下だいたい時系列に沿って書きます。

leteにつくと、ライブの代金を払い、
飲み物を注文しました。
僕はほうじ茶を頼みました。
leteでは飲み物が準備できるまで時間が少しかかります。
オーナーさんが手間をかけてつくってくれているようです。
温かいほうじ茶は僕をその空間に落ち着かせる手助けをしました。
ありがたや~。

ライブ開始時刻は8時半でした。
その10分前にトイレにいっておきました。
なぜこんなことを書くかというと、
トイレもライブ空間の雰囲気とつながっていて
オシャレだからです。
棚には本も置いてありました。
きっとどれもマイナーな本だと思います。
あまり表に出て読まれることはないかもしれませんが、
ひっそりとその空間に配置されることで
役目を果たす本もあることを知りました。


8時半頃になると、斉藤さん、ギターのガッキー、
まーさんがお店に入っていらっしゃいました。

一部、休憩、二部という構成でした。
一部も二部も、まずは斉藤さんだけで演奏、
その次に斉藤さんとガッキーの二人、
最後にまーさんを迎えるという感じでした。

まずは衝撃的なトークから始まりました。

斉藤さん「自分の譜面全部忘れました。」

え!!!
ですよね(笑)

普段はインプロと呼ばれる、
大まかな曲の流れをスケッチした紙があるらしいのですが、
それも忘れてしまったらしいです。

斉藤さん「ゲスト二人がいて助かりました。」


それから、開演待ちの時間に流れていた
BGM「ショーロ」についてお話しくださいました。
ブラジルの音楽、ショーロというのが
最近の斉藤さんのお気に入りとのこと。
これは二部で演奏もされます。


一曲目は曲名はわかりませんでした。
腕二本はキーボードを、
脚一本はそのペダルを、
脚の一本はテノリオンらしきものを
操っていました。
それに加え、セミの鳴き声のような
自然の音を出す装置もありました。
以降の曲目でも器用に使っていました。
ピアニカを途中で使う曲もありました。

初めは水面にポツンポツンと水滴が落ちるかのような
周期的で優しい音から始まりました。
だんだんいろんな音が増えていくにつれて
いつの間にか豊かな水量をもつ川が広がる場所に
連れていかれている感覚がありました。
単細胞から人間への進化をたどっているとも思えましたし、
母のお腹のなかで小さく鼓動を打つ時から始まる人の一生にも似ている
とも思いました。
様々なイメージが浮かんでは消えていきました。


~テレビシリーズ~

この曲が終わると
最近見たテレビのお話がありました。
その番組は宇宙をテーマにしたもので、
宇宙はなぜあるのか?
どうやって宇宙は生まれたか?
といった究極的な問いに迫るものだったそうです。
物理学者が何年も数式を用いてその謎を解明しようとし
そして無限大という壁にぶつかったそうです。
また宇宙には10次元あり、
残りの6次元は僕たちには小さくて見えないそうです。

だからどうしたってことはないそうです。
斉藤さん曰く、MCでの「テレビシリーズ」だそうです。
難しいことを話して置いて意味はないというところに
皆さん受けていたようです。

それから次はブラックホールが云々とお話されました。

これも「テレビシリーズ」でした、と斉藤さん。
お笑いの基本、「天丼」というやつです。

さて2曲目が始まります。
正式名称かはわかりませんが、
「leteブルース」とおっしゃっていました。

(器用な)子どもが初めてキーボードを前にしたときに
こんなふうに弾くのではないかと思われるように
考えながら弾いている風でした。
しかし、それは演技に過ぎず何らかの秩序が生まれていき
洗練されたメロディーが徐々に生まれていきます。
ただ、最初の滑稽さを残しているようで
ピエロが想像されました。


この曲が終わるといよいよガッキー登場です。

~最近の若者は~

ガッキーとのトークがありました。
斉藤さんは「最近の若者は」というお話を
聞くのもするのも嫌だと前置きしたうえで、
「最近の若者は」と切り出します。

テーマはメールVS電話です。

このライブのリハをするために斉藤さんが
ガッキーを家に招待したときのことです。

斉藤さん「最近の若者はなんでもメールだよね」
ガッキーは
今どこどこです、駅に着きましたといったことを
電話でなくメールでしたそうです。
斉藤さんは、駅に着きましたというメールに対して
メールではなく、すぐに電話で返したそうです。

ガッキーは、斉藤さんは運転中ではないかと心配して
電話ではなくメールをしておけば斉藤さんから必要な時に
連絡があるだろうと考えたそうです。
斉藤さんからすれば、
早めにコンビニに車をとめて待っていたようで
電話をしてくれればよいのにと
もどかしい思いをしていたそうです。

自分の都合のよいときに見られるという利点があるとガッキーは言います。
しかし、斉藤さんにとってはメールは手紙のようなものであり、
送るのに少し敷居が高いと感じられるようです。
少しばかりの相手のプライバシーに踏み入るかもしれないが、
電話のほうが(早くて伝えやすいため?)よいと言います。

ここに世代の差による感覚のずれがあるため、
「最近の若者は何でもメールだ」と言いたくなったとのことでした。

(さらにガッキーは既読表示のあるLineについても触れましたが、
斉藤さんの反応は想像がつくでしょう(笑))

いろいろな世代が集まるまーさんニコ生でも
盛り上がりそうなテーマですね。
(いい風に盛り上がるかはわかりませんがw)

他にもトークがありましたが全部書いていては
キリがないのでこれぐらいにしておきましょう。

次の曲はガッキーの出身地である沖縄の曲でした。
(曲名は聞き取れませんでした)

沖縄ならではのメロディーがちりばめられており、
明るく、時がゆっくり流れているかのようでした。
その二人が奏でる音色に
心がスーッと落ち着いていきます。
生きていていいんだよと肯定してくれるような
母親のぬくもりを感じさせる演奏でした。
ガッキーの郷土愛が伝わってきましたね。

~山口さん(仮)ですか?~
斉藤さんのお話。
先日コンビニでお酒とおつまみを買いにいったときに
レジで店員さんに「山口さん(仮)ですか?」と訊かれたそうです。
それも怪訝な感じで目線をしっかり合わせないようにして。
「いいえ、違いますが。」
と斉藤さんは答え、その場を立ち去ろうとしました。
しかし、どうにも気になってしまってレジに戻り
「どうかなさったのですか?」と訊き返したそうです。

さあ、なぜ「山口さん(仮)ですか?」と訊かれたのでしょうか?

~~~~シンキングスペース~~~~
(考えてわかるものとは思えませんが(笑))

アンサー;
実はその前日に山口さん(仮)から
そのコンビニに対してクレームがあり、
「また店に行ってやるからな!」と
言われていたそうです。
山口さん(仮)と斉藤さんは顔が似ているらしく
その怖そうな山口さん(仮)が来たのではないかと
謝るつもりで声をかけたとのことでした。



次の曲ではついにガッキーが歌います。
小林亮三さんの「ほしのたびびと」
のカバーを披露して下さいました。

最初の歌詞は
「君の名前を消せないままで」
です。
切なげなメロディーにこの一言で
一気にいろんな想像が広がります。
皆さんはどんな想像をしましたか?
こころの叫びが突き上げるような実声として出ているところもあれば、
繊細にファルセットを使って歌いあげるところもありました。
最初から最後までガッキーワールドでした。

斉藤さん「いい曲だね」
ガッキー「いい曲ですよね」


さて、ここでついにまーさん登場です。
まずは島根県出身であることをお客さんに伝えたのち、
斉藤さんは島根の「しんじこ(宍道湖)」
っていい響きだよねと切り出します。
しかし、まーさんのライブサポートとして島根に行ったときには
宍道湖は茶色だったよと遣島使であるまーさんとしては
聞き捨てならない言葉が斉藤さんの口から飛び出します。
その後はまーさん必死の弁解です(笑)
その時は天気が悪くて増水していたせいであり、
普段は青色です!と。
(宍道湖は外海と一部つながっている汽水湖。)

さてそんなこんなで故郷島根に宛てて書いた曲
「手紙」を三人で演奏です。
(まーさんは飛び入りだったこともあり、
ガッキーは初見での演奏でした。
斉藤さんとは9月の江古田で一緒に演奏しましたね。)
まーさんはギターをもたず、ハンドマイクで歌います。
leteの雰囲気に合わせてしっとりと歌い上げます。
だんだん、だんだん、ありがとう~
まーさんの心のこもった言葉には心を動かす力があると
改めて感じました。
また、斉藤さんの優しいキーボードに
ガッキーのアクセントの効いたギターが入った演奏は
とても贅沢だなあと感じました。
だんだん、だんだん、ありがとう~

これで一部は終了です。
手紙の余韻を楽しみつつほうじ茶を一口。
こりゃええ。

さて第二部です。

まずは斉藤さんひとり。
トークから始まりました。

野球やサッカーの選手は歳をとると
身体がついてこなくなって引退せざるを得なくなります。
一見華々しい仕事であるかのように見えますが、
その実、職業としては成り立ちにくいものではないでしょうか。
だからこそスターというものが生まれるのかもしれません。
音楽を生業とするミュージシャンも似たところがあり、
職業としては成り立ちにくいかもしれません。

といったことをお話下さいました。
好きなことを趣味のままではなく
仕事とすることの難しさにも触れられました。
そんな少し重い空気の中、次の曲は始まりました。

曲名は「湖2」です。
これは斉藤さんのCD「デモ..」に収録されています。
モチーフというのでしょうか、印象的なフレーズが
様々に色を変えて繰り返されます。
絶えずその表情を変化させながらも
繰り返される自然の営みが想像されます。
穏やかな繰り返しの毎日を求める一方
刺激的な時間がほしがるという
アンビバレントな感情をもつ人間も
似たようなものかもしれません。


続いては「Ave Maria」です。
原曲が誰の作曲のものかはわかりませんが、
斉藤さんがアレンジを加えたものだと思われます。
斉藤さんは人が安心するゆらぎ、リズムを
知っているのではないかと思いました。
心地よくきけました。
(僕の前におかけになっていた女性はおそらく
あまりの心地よさにお休みになっていたと思われます。)


ガッキー登場です。
お酒についてのトークが始まりました。
ガッキーはお酒に強いらしく
自分とはランクが違うと斉藤さんに言わしめます。
するとガッキーは斉藤さんのお酒の席での
斉藤さんの様子を教えてくれました。
斉藤さん、お酒が入るとカラオケに行きたいとごねるらしいです!(笑)
(意外な一面ですね)
そして、カラオケに行ったら行ったで
自分がプロデュースしないと気が済まないらしく、
本気で歌えとおっしゃるそうです。
斉藤さん自身も本気で歌うそうです。
そんなカラオケをガッキーはとても楽んだとのことでした。


さて次は二曲続けてアコーディオンを使って
ブラジルの音楽、ショーロの演奏です。
ショーロはヨーロッパのクラシックに起源をもつ
ブラジルで開花した音楽であり、
ボサノバやサンバに影響を与えたとされています。

普段きかない音楽であり、
最初はヨーロッパの洋館を勝手にイメージしましたが、
ちょっと違うなと感じるようになりました。
リズムが変則的で少し身体を揺らしにかかるポップな感じもあります。
キーボードより音に密度があるアコーディオンを選んだのも頷けます。
なんというか、南米の感じがでるんですね(笑)

しかし、録音をちゃんとできていなかったためか
二曲目をキーボードバージョンで聴かせてもらうと
それはそれで面白く聴いていて飽きません。

(ショーロを演奏するまえに楽譜上の流れについて
ガッキーが斉藤さんに質問をして
斉藤さんが、AいってBいってBの繰り返してコーダで…
「おい、音楽家は夢を売るのが仕事だぞ!」
と斉藤さんの突っ込みが入ったのはここだけの秘密にしておいてください(笑)
以降このセリフは時と場合を変えていろんなところで出てきましたw)



お次はガッキー曲です。
ごめんなさい、勉強不足で曲名分かりません。
歌詞にshe said 永遠なんてないでしょ I say …
というのがある曲です。
(そもそもこれが正しい歌詞なのかわかりません)
僕にとっては「同じ月を見ている」の印象がとても強く、
ガッキーといえば切ないバラードと思っていますが、
これもどこか切ない響きがあります。
あのメロディーで永遠という言葉が惹きたてるのは、
むしろその反対である刹那だと思います。
だからこそ「せつな」いのでしょうか。


次は「カンデラ」という曲でした。
(検索してみても光度についての
国際単位系の単位としかでてこないので
聞き間違いかもしれません)
初めはそこまで引き込まれませんでしたが、
だんだん乗ってくる感じで
聴く方も演奏する方も
ランナーズハイになっている
と感じさせる演奏でした。


そしてまーさん登場です。
「おやすみnight」
今回もハンドマイクです。
leteライブの最終曲にふさわしいと思いました。
イントロで斉藤さんの色鮮やかなメロディーが
薄暗いleteの空間を星のように彩ります。
するともうそこはおやすみnight空間でした。
(意味不明でごめんなさい)
まーさんもいつもよりリズムを揺らしたりして
おやすみnight空間をより強固にしていきます。
leteは小さな箱です。
だからこそまーさんの生の声に近いものが聴こえ、
おやすみnightの魅力が伝わるという見方もできると思います。
その小さな空間が創りだしたおやすみnight空間は
多くの人には見ることができません。
”残りの6次元”にあるのかもしれませんね。


そして最後に、即興演奏です。
まーさんは「私も?」と予想外の展開に驚いているようでした。
それもそのはず、まーさんがこの日もっている楽器は
ご自身の身体しかなかったのですから。
(おそらく歌詞を考えるのが難しいと思われます)
緊張の面持ちのまま
テーマなども特に決めず
演奏は始まりました。
(どうなるのだろうと聴く方も緊張します。)
斉藤さんとガッキーがだんだん噛み合ってきて
歌いやすい場をつくっていきました。
まーさんはまずはハミングや「あ~」「う~」等を入れていき
心を決めて言葉を紡ぎだしていきます。

演奏後のまーさんは
leteにはそぐわないファンシーな歌詞だった
とおっしゃっていましたが、
何はともあれ
素敵な音を届けてくださいました。
ありがとうございました。



ここまで読んで下さった皆さん、もう少しお付き合いください。
ライブ後、まーさんとのお話で話題になったことがきっかけで以下を書きました。

ここでは是非まーさんファンの方々に
考えて頂きたいことを一つお伝えしておきます。
それは「情報をうまく伝える方法」についてです。

まーさんのライブ情報は主に
オフィシャルHP、ブログ、ツイッター等で発信されています。
いかにライブ情報を知ってもらいライブに来てもらうかについて
まーさんは試行錯誤しているとのことです。
ツイッターで
「どこどこに来てたのですか。知っていればライブ行ったのに。」
というような内容のリプライをもらうことがあるそうです。
(ツイッターは読まずとも流れてしまうんですよねぇ。。)
どこまで本気で言っているのかはわからないですし、
情報が溢れる現代ですので限界があるかもしれませんが、

どうすれば
・より多くの方に
・確実に
・効率よく(まーさんやHさんの負担を少なくして)
情報を伝えることができるでしょうか?

何かいい案があればまーさんやHさんに提案してみてください。


ちなみに
Q:山根万理奈スタッフ @Yamane_Staffというツイッターアカウントはどうなったの?
A:それはワーナーのスタッフさんのもので、もうつぶやかれないとのこと。

Q:Hさんがツイッターをするのは?
A:まーさん曰く、HさんはフェイスブックとHPで手一杯。
(人が足りてないのもあると思います)
ちなみにHPの更新は業者に依頼していてHさんが直接書いているわけではない。
そのため情報解禁にタイムラグが生じることがあるとのこと。


Q:時間(帯)を決めてライブ情報をツイッターでつぶやくのは?(例えば朝昼晩など)
A:同じ時間(帯)にいつもつぶやけるとは限らない。
何回も同じライブ情報を宣伝するのも煙たがられるのでは?

難しいものです。メディアにはそれぞれのメリットデメリットがあり、
一方のメディアのデメリットを埋める形で他のメディアを使うのが常套手段ですが、
余りに多くのメディアを使うと管理が大変になります。
今使っているメディアをいかにうまく使い、連携させるか
ちょっとした工夫で案外いろいろ変わるかもしれません。
社会のどこにでもある答えのない問題に思われるかもしれませんが、
御一考よろしくお願いします。